ゲイムマンは今あえて「上海」を取り上げてみたよ:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/4 ページ)
第86回は「上海」を取り上げてみましょう。定番パズルゲームとして、PCやゲーム機のみならず、携帯電話やiPhone/iPadでも大人気。連載5周年ですし、ちょっと思い切って、あの場所へ行ってプレイしました!
6面きっと取れるよ
「上海II」は、家庭用ゲーム機では1990年に、PCエンジン版とファミコン版が相次いで発売されている。PCエンジン版は前作のHuカードからCD-ROMになった。ファミコン版は他機種版のように立体的なグラフィックに変わった。
「上海II」最大の特長は、初期配列のパターンが増えたこと。1作めの配列が「龍配列」と名づけられ、ほかに帝(とら)、蠍(さそり)、猿、蛇、豹(ひょう)の5パターンが追加されている。PCエンジン版の「実戦モード」は、この6種類の配列を順番にクリアしていくのが目的。
蛇配列や豹配列のように、最初取れる牌が少ないパターンでは、(クリアが不可能な積まれ方はされていないので)取る牌を迷うことはあまりないが、後半で手詰まりになりやすい。
また「実戦モード」では、1988年に登場したアーケード版のように、制限時間がある。プレイヤーが考えている間、制限時間を示すバーが短くなっていく。牌を取ると少しバーが伸びる。花牌や季節牌はボーナス牌となり、取るとほかの牌よりバーの伸び方が大きい。後半のステージから、バーの減りが速くなってくる。
ファミコン版では前作同様ソリティアとトーナメント、チャレンジがある。トーナメントの時間制限は、アーケード版と同じシステムになったが、バーの減りがちょっと速い。かなり急いで牌を消さなければならず、難度が高い。
どちらもコンティニューが可能。手詰まりになった面とまったく同じ牌の並びで再スタートするが、普通の「上海」と違って、同じ面をトライアル&エラーで少しずつ進んでいけるのがおもしろい。
サーズディ・チャイナタウン
ところで、上海といえばご存じのとおり、現在、上海万博が開催されている。
連載5周年なので、今回はゲームボーイ版「上海」を万博会場まで持っていって、プレイしてみようと考えた。しかし会場内で撮った写真を記事に載せるとなると、いろいろ手続きが大変だろう。そこで、万博会場からはかなり離れているが、観光客がめったに行かない穴場スポットへ行ってみた。
上海市は、日本の横浜市と友好都市関係を結んでいる。わたしが訪れたここ「上海横浜友好園」は、1989年、両市の友好都市締結15周年を記念して造られた。有名な観光名所「豫園」を小さくしたような、江南様式の庭園である。以前は建物の中へ入ることもできたが、残念ながら現在は、老朽化のため立入禁止となっている。
ここでゲームボーイカラーを取り出して、「上海」をプレイしてみた。わたしが持ってきたのはアクティビジョン版だが、もともとはHAL研究所が発売していた。
タイトル画面に、池の中に建つあずまやと、蓮の花が描かれている。目の前の景色とそっくりで、シンクロ感満点。だがゲームを始めてみると、シンクロ感とか臨場感とかはなかった。ゲーム中に上海の風景が出てくるわけではないから、当然といえば当然か。
ただ、いきなり2回続けて面クリアできた。龍の絵の横に「名人」と表示された。やっぱり自宅でプレイするときとは、何かが違うのかもしれない。鴨が足元に寄ってきたのは吉兆だろうか?
友好園の周りは、静かで広々とした芝生広場になっている。その中に、蒸気機関車が静態保存されていた。中国はSL王国として知られ、「前進型」をはじめとするSLが、ごく最近まで貨物運用をこなしていた。だが現在はほぼディーゼル機関車や電気機関車に置き換えられているようだ。
ただし、ここに展示されているのは前進型ではなく、日本のデコイチ(デゴイチ)ことD51。隣には機関車の向きを変える転車台も保存されている。
あと、近くのレストランで食べた酢豚とチャーハンがうまかった。まさかこの地にバーミヤンがあるとは思わなかった。
またこの近くには「八聖殿郷土資料館」という、独特の形をしたパビリオンがある。孔子など世界の8人の偉人がまつられており、また当地でかつて使われていた農具や漁具も展示されている。1950年代の漁業の様子を収めた写真も数多く、今とはまったく異なる風景が、この街の急激な変貌ぶりをうかがわせる。
八聖殿は丘の上に建っているので見晴らしがいい。森の向こうにランドマークタワーが見えた。ん、ランドマークタワー……?
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