梶浦ワールドに酔いしれるホール
イベントのトリは、お待ちかねのFictionJunctionによるライブだ。SoundHorizonなどでも活躍するKAORI、力強いボーカルが魅力のYURIKO KAIDAがぐいぐいとメロディを引っ張り、Kalafinaにも参加しているWAKANAのソプラノ・ボーカルとKEIKOのアルト・ボーカルが音に厚みを加える。
そのバックを「.hack」の音楽世界を作り上げた梶浦由記による浮遊感漂うニューウェーブなバンド・サウンドが支える。
白眉はOVA「.hack//Liminality」サウンドトラック収録曲の「Liminality」、そしてアニメ「.hack//SIGN」主題歌「Obsession」だ。聖歌を思わせる複雑なコーラスが神聖なサウンドスケープを形成する。通常のコンサートならば手拍子やサイリュームが乱舞しそうなものだが、このステージだけはちょっと違う。まるでクラシックコンサート会場のように、座席から立つ事も出来ないオーディエンスは、押し寄せる音の奔流に圧倒されているようだ。
そしてラスト・ナンバーではYUUKAが合流し、アニメ「.hack//Roots」主題歌「Silly-Go-Round」を熱唱した。
スマッシュ・ヒットを記録し、ファンの間でも特に人気の高いストレートなロック・ナンバーということで、「もう我慢できん!」とばかりに観客は総立ちに。5人の歌姫たちの美しいハーモニーと梶浦由記&バンドの奏でるアグレッシブなサウンドに、オーディエンスは熱烈なスタンディングオベーションで応えるのだった。
最後は出演者たちによるコメントで終演となった。
「10年近い歴史を誇る『.hack』ですが、まだまだ続きます。次の10年後くらいのイベントの時に、今日の事を昨日のように思い出したいと思います」(杉田智和)
「『.hack//Link』からの新参者ですが、楽しいことずくめのイベントでした。これからもどうぞよろしくお願いします」(小清水亜美)
「今日は歌やお芝居だけじゃなくて、新しいアニメの情報も出たりして……。関われるといいなあ〜。そしてまたこういうイベントで皆さんに会いたいと思います。偉い人お願いしま〜す(笑)! 」(三瓶由布子)
「9年くらい前からやっている作品で、こうやって皆さんにお目にかかれて嬉しかったです。そして新しい作品も楽しみにしたいと思います」(相田さやか)
「色んな『.hack』の主要キャラが一堂に会してこういうイベントができたのは、みなさんが盛り上げてくれたからだと思います。また、いつかお会いしましょう!」(斉賀みつき)
「9年間という時間は、素晴らしい作品を育てるんだなと思いました。そして音が重要な作品だと思いました。また次の作品へと紡いで頂いて、応援してくださると幸いです。ありがとうございました!」(櫻井孝宏)
「私も『.hack』のアフレコを始めた時は、まだ自分は新人でした。その作品で、こうして舞台に立てるのは本当に幸せなことだとしみじみと思いました。まだ『.hack』は展開する作品なので、これからもよろしくお願いします!」(浅野真澄)
新たなる展開を見せる「.hack」の世界への期待と、これまで応援してくれたファンへの感謝でイベントは幕を下ろした。まだ見ぬ新作では、どんな大冒険を見せてくれるのだろうか。胸躍らせて待っていよう。
セットリスト |
LieN |
1.時の階段 |
2.やさしい両手 |
3.優しくキミは微笑んでいた |
FictionJunction |
4.the world |
5.Liminality |
6.key of the twwilight |
7.Obsession |
8.fake wings |
9.in the land of twilight,under the moon |
FictionJunction YUUKA |
10.Silly-Go-Round |
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