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暑さも吹っ飛ばせ! 「ペンゴ」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)

連載第89回は「ペンゴ」(セガ)。氷で作られた迷路の中で、ペンギンのペンゴがその氷を飛ばして敵を倒すゲーム。もしこれを猛暑日に屋外でプレイしたら、果たして涼しく感じられるでしょうか?

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58階アイスブロックフロアでございます

 「ペンゴ」の魅力として挙げられるのは、かわいらしいキャラクター、アイスブロックを思いっ切り飛ばす爽快感、スピーディーな展開、一筋縄ではいかない動きをするスノービーとの駆け引き、といったところだろうか。

 得点設定の絶妙さも挙げておきたい。例えばダイヤモンドブロック。3個並べると10000点という大ボーナスだが、外壁に沿って並べると、5000点しかもらえない。中央に並べるより、壁沿いに並べた方が難しくないということで、得点に差がついているのだ。もっとも実際にやってみると、壁沿いでもかなり難しいんだけど。

 スノービーの卵をアイスブロックごとつぶすと500点。スノービーをブロックでつぶすより100点だけ高いが、ブロックで2匹まとめてつぶすよりは低い。

 アイスブロックでつぶすのに比べると、壁を揺らしてスノービーをつかまえることはかなり易しい。スコアよりステージクリアを優先したいときは多用することになるだろう。その分、得点は極端に低く抑えられ、しびれたスノービーをつかまえても100点しか得られない。

壁を揺らしてしびれさせれば、割と楽にスノービーを倒せる。追い詰められたらこれで切り抜けるしかない
壁でスノービーをまとめてしびれさせ、そこにブロックを当てれば高得点の可能性も……

 ゲーム中のBGMは、電子音楽の大ヒット曲「ポップコーン」。1969年にガーション・キングスレー氏のアルバムに収録され、3年後にホットバターというグループがカバーして有名になった。

 ちなみにキングスレー氏は、ジャン=ジャック・ペリー氏とともに、「バロック・ホーダウン」(ディズニーランドのエレクトリカルパレードで使われている曲)を作っている。「太鼓の達人」でこの曲をプレイすると気持ちいい。……話がどんどん「ペンゴ」から脱線していってるな。

 ナムコのタイトルが出てきたので、もう1つついでに書くと、「ドルアーガの塔」ゲームブック版(東京創元社)の58階は、作者の鈴木直人氏が自ら「ペンゴ」+「倉庫番」(シンキングラビット)と評したステージになっている。巨大な氷を押して移動し、アイテムを取って脱出する。失敗すると出られなくなって即ゲームオーバーになる厳しいステージだったが、ペンゴとも倉庫番とも違って、魔法を使うことで体力と引き換えに氷を引っ張ることができるという救済措置もあった。

家庭用機にトライ

 さて、冒頭の写真にも出していたが、わたしは名古屋港に、ゲームギアを持参していた。

 「ペンゴ」がアーケードに登場した翌年の1983年には、セガ初の家庭用ゲーム機「SG-1000」が発売されている(同時発売されたSC-3000というPCと互換性があった)。だがSG-1000どころか、あらゆる家庭用ゲーム機に、「ペンゴ」はなかなか移植されなかった。ゲーム機への初登場は、意外にもゲームギア版だったのだ。発売は1990年。アーケード版から8年も経っている。

 同時期のヒット作だった「モナコGP」は、SG-1000に移植されている。また「トランキライザーガン」は、「サファリハンティング」と名前を変えて移植。「ザクソン」「フリッキー」も発売された。一方、「ヘッドオン」や「フロッガー」などは移植されていない。

 「ジャンプバグ」に至っては、今日までどのゲーム機にも移植されていない。個人的に好きなゲームで、こないだ秋葉原のナツゲーミュージアム(現在は閉店)でプレイして、今やってもおもしろいと思ったんだけど。

 「ペンゴ」はゲームギアのほか、メガドライブとセガサターン、PCに移植されている。メガドライブ版は「ぺぺんがペンゴ」というタイトルで、元祖ペンゴと、新作「ストーリーモード」が収録されている。メガドライブ末期に発売されたため希少だったが、最近Wiiのバーチャルコンソールに移植され、入手しやすくなった。

「ぺぺんがペンゴ」の「アーケードモード」。元祖ペンゴがプレイできる

 元祖ペンゴは1画面に収まり切らず、ほんの少しだけ上下にスクロールする。もともと縦長画面のゲームだったので、メガドライブの画面解像度が足りなかったのだろうか。ちなみにBGMは「ポップコーン」ではないが、こっちの曲も軽快で、個人的には嫌いじゃない。

 ストーリーモードは全40面。ペンゴがアイスブロックを作ることができるのが大きな特徴。最終ボスはかなり醜悪なスノービーだ。

 フィールドにさまざまな仕掛けがある。アーケード版の「ボンバーマン」をほうふつとさせるが、氷の弾ける法則が分かりにくく、爽快感ではややボンバーマンに劣る(パスワードコンティニューがあるので、わたしでもクリアはできた)。そのかわり、バトルモードではそのわかりにくさがプラスに働き、展開が読めなくておもしろい。……例によってコンピュータとしか対戦してないから、人と対戦しておもしろいかどうかはわからないんだけど。

ストーリーモードには10種類のワールドがあり、それぞれ3ステージ+ボス戦で構成されている
各ワールドのボスは、個性的な攻撃を仕掛けてくる。それだけに強さはまちまち
バトルモードは4人までの対戦が可能。CPUとの対戦もできるが、CPUはフィールド上のワナによく引っかかる

「ペンゴ!」反響大

 セガサターン版は、「SEGA AGES メモリアルセレクション VOL.1」に、「ヘッドオン」「アップンダウン」「フリッキー」とともに収録されている。なぜかプレイステーション 2版のメモリアルセレクションには入っていない。

「SEGA AGES メモリアルセレクション VOL.1」では、SEGAロゴにもペンゴが登場。スノービーも現れる
これまで使用した写真は縦画面モードで撮影したが、もちろん横画面モードでもプレイできる

 そして冒頭でも触れたとおり、現在アーケード版の新作「ペンゴ!」が開発中らしい。アミューズメントマシンショーにも出展され、大きな反響を呼んだ。最大8人まで同時対戦できるようだ。

 さて最後に、名古屋港水族館の前で、ペンギンの像と南極観測船ふじを見ながら、ゲームギア版の「ペンゴ」をプレイしてみよう。最高気温38度の猛暑日だけど、氷に囲まれた南極の雰囲気にひたれるだろうか?

 ……ゲームギアが故障していて、電源が入らない。何回スイッチを入れても、電源ランプが一瞬だけついてすぐ消える。

 そうだ、「ペンゴ」は携帯電話のアプリにもなっていたはずだ。セガのケータイゲームサイト「★ぷよぷよ!セガ」に登録すればプレイできる。自分の携帯電話を取り出して、アクセスしてみた。……携帯電話の機種が古すぎて、対応していなかった。

 いいかげん、本体に「vodafone」って書いてあるような古いケータイは、早いとこ機種変しよう。アプリだけじゃなくて、地図見るにもツイッター見るにも支障があるし。

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