乙武洋匡さん、ブログで「ゲームとの付き合い方」を語る:日々是遊戯
「最近は、子どもたちが公園で集まって無言でゲームをしている」――そんなつぶやきを受けて書かれた、乙武洋匡さんのブログエントリが話題となっています。
大切なのは付き合い方
「五体不満足」などの著者として知られ、現在は教諭・スポーツライターとして活躍中の乙武洋匡さんが、自身の公式サイトにて「ゲームとの付き合い方」と題した文章を公開し、話題となっています。
そもそもの発端は、「最近は、子どもたちが公園で集まって無言でゲームをしている」という誰かのツイートでした。確かにゲームは楽しい。しかし楽しいからこそ「付き合い方」が大切になってくるのではないか――。ブログの中で、乙武さんはTwitter上での議論を受けて、ゲームとの正しい「付き合い方」について次のように述べています。
まず第一に、乙武さんが不安視するのが「ゲームが他の機会を奪ってしまうこと」。ゲームは楽しいが、その結果、子供たちの生活が「ゲーム一色」「ゲーム優先」になってしまっては意味がない。教員時代、乙武さんが朝の会で「昨日いちばん楽しかったこと」を子供たちに問うと、ほとんどの男子が昨日遊んだゲームの話をするばかりで、「こんな本が面白かった」「お母さんとはこんな話をした」といったスピーチはほとんど聞けなかったそうです。勉強やスポーツ、読書、音楽など、子供たちにはもっと様々なものに触れてほしいが、「ゲームにハマると、どうしてもそれ一辺倒になってしまう」と乙武さんは指摘します。
第二に、「親がテレビやゲームに『子守り』を任せてしまい、親子間でコミュニケーションを図る障壁となっていないか」という点。世の中には親子でゲームを楽しんでいる家庭もあるものの、「残念ながら、現状ではそのような家庭ばかりではないようです」と乙武さん。「子どもと関わる時間的・精神的な余裕がないために、『ゲームをやっていれば静かだから』と、子どもたちが長時間にわたりゲームに没頭することを黙認している親も多くいます」と、ゲームに任せきりで子供と関わろうとしない「親の問題」を指摘しています。子供がゲーム一辺倒になってしまう背景には、親の責任も大いにあるというわけですね。
誤解がないよう付け加えておきますが、乙武さん自身は決して「ゲームそのもの」を否定しているわけではありません。「僕も子どもの頃は、時間を忘れて画面に向かった」と語っているとおり、乙武さんも「ドラゴンクエストIII」や「信長の野望」「三国志」などのゲームで遊んだ「ゲーム世代」。しかし、だからこそ余計に「公園で子供たちが無言でゲームに興じている」ような現状に一石を投じたくなったのかもしれません。みなさんもこれを機に、家庭での「ゲームとの付き合い方」についてあらためて考えてみてはいかがでしょうか。
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