■スペシャル インタビュー
先日アメリカで行われたE3会場で,「ラリースポーツ・チャレンジ」開発者,Tobias Andersson氏のインタビューに成功。本作へのこだわりを聴いた。
■まずは作品のコンセプトからお聞きします。ラリーを題材としたゲームは多くありますが,この「RSC」が目指したものとは?
Tobias Andersson:(以下TA) ラリーのゲームを作るにあたり,いろいろな作品を見て研究しました。結果として,やはりラリーゲームの多くは一本道で,いわゆるWRC的なラリーにならったタイトルがほとんどでしたね。
そこから,僕たちは「何か新しいもの」を作りたいと考えるようになりました。そこでタイトルも「ラリースポーツ」と題して,いろいろな「種類の異なったラリー」を体験できるものにしよう,と。
■たしかにひと口に「ラリー」と言っても,「パリ・ダカ」のようなアドベンチャーラリーやラリーレイド的なものから,WRCのようにスプリント・コンペティティブ色の強い方向性まで,さまざまですよね。
TA:そうです。ですので本作には大きく分けて4タイプのラリーを用意しました。いわゆる通常のラリーや,ラリークロスといってグラベル(砂や砂利の路面)のクローズドサーキットを走るもの,それに文字どおり雪や氷のコースを舞台にしたアイスレースや,ヒルクライムと呼ばれる丘を登るタイプのラリーもあります。
■ちなみにアイスレースはヨーロッパではポピュラーな競技なのでしょうか?
TA:ええ。特に僕たちデジタル・イリュージョンのあるスウェーデン,ノルウェーなどの北欧諸国や,ヨーロッパのアルプス周辺の地域では湖が凍りますから,氷上のレースは盛んですよ。
本作では競技の種類だけではなく,車種もベーシックなラリー競技車から,ヒルクライムを想定した大型のパワフルなマシン,さらにラリー史上「怪物」と呼ばれるグループB用まで,カテゴリーを超えて操ることができます。 ヒルクライム用の強力なマシンでアイスレースを走れますから,これは貴重な機会ですよ(笑)。
■グラベルやターマック(舗装路面)でもパワーをもてあましてしまうマシンですよね? 氷の上はまっすぐ走るのも大変なのでは?
私はデルタS4(グループBマシン)が好きなのですが,コーナーではコースアウトの連続で(笑)。
TA:サイドブレーキを使うべきですよ。ラリーですから,コーナーはスライドしながら進入してください(笑)。
■……ここまでのお話で「RSC」の「さまざまなラリーを体験させる」という大きなねらいはわかりました。さらにこまかくクルマの挙動ですとか,操作感の味付けについてうかがいたいのですが,現在,レースゲームにはシミュレーション志向という流れがありますよね。
プレイした印象として「RSC」はシミュレーションというカラーよりも「ゲームとして,ドライブして楽しいもの」を目指したような印象があります。ここにいたる背景は?
TA:いい質問です。ヨーロッパとアメリカにおけるフォーカスグループ・リサーチ(市場調査)の結果,「とにかく興奮できるドライビング」をみなさんが望んでいることがわかりました。
ですので,僕たちはクルマのダメージ,汚れなどをビジュアルで表現しつつも,思いっきり攻撃的な走りを堪能できるようなバランスに仕上げたのです。
「RSC」は言わば,シミュレーションとアーケードの両方の要素を組み合わせたようなゲームなんですよ。
■では最後に,続編のオンライン版についてですが,たとえばドライバーとコ・ドライバーがXboxコミュニケータで音声交信したりする……とか?
TA:それはいい!(笑)。具体的な追加要素は未定ですが,「RSC2」において音声はもっともエキサイティングなフィーチャーとなるかもしれませんね。
(2002年5月24日,アメリカ・ロサンゼルスのE3会場・Xboxブースにて収録) ドリマガ6/28売り号掲載
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