ガンバレ日本! GDC2011@サンフランシスコに行ってきた!:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その40)(3/3 ページ)
ITmedia ガジェットに引っ越して参りましたくねくねハニィがお送りする「最近どうよ?」の40回目は、GDC2011サンフランシスコをまとめてみました。ハニィも「日本の力を、信じてる」!
Game Developer's Choice Awards
3月2日に開催された「Game Developer's Choice Awards」。全10部門中6部門にノミネートされていた「Red Dead Redemption(日本名:レッド・デッド・リデンプション)」がゲームオブザイヤーをはじめとして四冠に輝きましたわ!
日本発のゲームソフトはコンソール向けでは、Wii向けの「Super Mario Galaxy 2(日本名:スーパーマリオギャラクシー2)」と「Kirby's Epic Yarn(日本名:毛糸のカービィ)」が、携帯ゲーム機向けでは「Metal Gear Solid: Peace Walker(日本名:メタルギアソリッド ピースウォーカー)」、「Game Dev Story(日本名:ゲーム発展国++)」、「Dragon Quest IX(日本名:ドラゴンクエストIX 星空の守り人)」がノミネートされてはいたのですが……受賞まではいきませんでした。ここのところ日本のゲームが受賞できないのは悔しいところです。
今年大きく注目されたのは「Minecraft」。インディーズゲームながらPC向けに発売され、全世界で100万本超を記録。本授賞式前に行なわれたIndependent Games Festivalでも多くの賞を受賞し、Game Developer's Choice Awardsでも三冠を獲得していました。恐るべしインディーズゲーム。では、下記受賞タイトル一覧をどうぞ。
- Game of the Year:Red Dead Redemption (Rockstar San Diego)
- Best Writing:Mass Effect 2 (BioWare)
- Best Game Design:Red Dead Redemption (Rockstar San Diego)
- Best Debut Game:Minecraft (Mojang)
- Best Handheld Game:Cut the Rope (ZeptoLab)
- Best Technology:Red Dead Redemption (Rockstar San Diego)
- Innovation Award:Minecraft (Mojang)
- Best Audio:Red Dead Redemption (Rockstar San Diego)
- Best Visual Arts:Limbo (Playdead)
- Best Downloadable Game:Minecraft (Mojang)
ゲーム業界に貢献したとされる個人に対して贈られる各賞は以下のとおり。
- Lifetime Achievement Award(生涯功労賞):Peter Molyneux
- Pioneer Award:Yu Suzuki(鈴木 裕)
- Ambassador Award:Tim Brengle & Ian MacKenzie
まとめ
25回目を迎えたGDC2011は、前述したとおりあと少しで参加者が2万人になるってくらいの盛況ぶりで、一瞬ビジネスショーか? と思わせるほどの人出でした。それに、業界的に若返っている印象が強く、日本の業界に見る「高齢化」が見受けられないのはちょっとビックリしました。何しろ参加者が若い……。その若いデベロッパー達が、これらの講義や交流を通じて、少しでもレベルの高いものを作ろうといううねりは強く感じました。
一方で、25周年という節目を迎えたこともあり、「Classic Game Postmortem」(クラシックゲームの検証)と称するイベントが盛況で、「Pitfall」のデビッド・クレイン氏、「Populous」のピーター・モリニュー氏、日本からは「パックマン」の岩谷徹氏など総勢12タイトルのクリエイター達が講演をしていました。Game Developer's Choice Awardsでは、鈴木裕氏がPioneer Awardを受賞し、この25年の間にやはり日本人はゲーム産業に寄与したんだと思った次第です。
だからこそ、これに続く若いクリエイターの誕生を切に望みます。欧米の新しいクリエイターと並んで脚光を浴びる若いクリエイターが日本には少ない!
奇しくも、任天堂の岩田社長が基調講演で語ったように、現在の開発環境がクリエイターの才能を必要としないという状況になっている反面、昔ながらの作り方をしているはずの日本から若いクリエイターが生まれていないのが残念でなりません。
来年のGDCは2012年は3月5日〜3月9日まで、本年同様サンフランシスコ市のMosconeセンターで行われる予定です。日本からの多くの若いクリエイターが参加してほしいところです!
ハニィのあとがき
帰国して3日目に大地震が起きて、ハニィ自身家族の被災や、たくさんの方が亡くなられたという悲しい事実で心が痛かったですよ。忙しいはずなのに、仕事がまったく手につかず、くよくよしてました。また、1ドル76円を付けたときには、日本はどうなってしまうのかと憂いました。
ゲーム産業は「娯楽」なので、こういう時に「必需」なものではないと考えれば、業界的には暗黒の時代がやってきてしまうのか、と頭を悩ませもしました。でも、それでも、ゲーム産業は求められるのです。それは音楽や映像と同じように、人々に感動と経験を与えることができるから。ハニィがこんなことを言っても説得力がないかもしれないけど、日本が立ち直るにはみんなの元気が必要なんだよね。
震災後、ハニィのところには海外から100通を超える海外ゲーム関係者からの「大丈夫?」メールをいただきました。つまり日本のゲーム業界は世界からもガンバレって言われてるってことなんだよね。この期待に応えなくちゃいけません。
だから、これからも書いていきますね、ホントにちっちゃーい支えにしかならないけど、日本のために。本年度もきちんと伝えて行きます、よろしこ!
くねくねハニィのプロフィール
1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。
小学生からはゲームセンターに通いまくってやたら大きく育つ。
1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる。独特の語り口調ですが、もう慣れてくださいとしか言えません。言ってる中身は至極マジメなので。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。
ハニィさんの御家族も被災されたということでとても心配しておりました。こうしてまたITmedia ガジェットで執筆していただけることができうれしく思っております。ただ、原稿書くスピードだけが残念でなりません。
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