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日本の伝統工芸の姿を立体的に再現――東京国立博物館でデジタル展示ケース「自在置物 龍」を1月2日より公開

2012年の干支である龍をの動きを、デジタルでリアルに再現し触れて楽しめる展示が、東京国立博物館で1月2日より公開される。

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 東京大学と凸版印刷では、両者が共同で手がけていた次世代型の美術鑑賞システム「デジタル展示ケース」の開発に成功。2012年1月2日より東京国立美術館(東京都台東区)で開催される特集陳列「天翔ける龍」において、「自在置物 龍」の展示を公開する。

 「デジタル展示ケース」は、デジタル技術を用いて再現した文化財を画面上で鑑賞するだけでなく、あたかもその場にあるかのように自由に動かすなどのインタラクティブな疑似体験が楽しめるもの。

 これまで、直接触ることで意味を持つ文化財などについては、文化財の傷む可能性を考えレプリカを展示したりビデオ映像での鑑賞といった方法がとられてきた。「デジタル展示ケース」では、作品の自在な動きをあらかじめコマ撮り撮影した画像から再現。この際、コマ間の対応点を自動的に計算し、中間の形状の画像を新たに生成するデフォメーション技術を用いることで、滑らかな動きを実現している。

 鑑賞者は「デジタル展示ケース」前面の装置に自分の腕を挿入すると、自分の手が「デジタル展示ケース」の画面上に現れ、実際に作品に触れているかのような感覚が得られるほか、変形させた作品を、さまざまな方向から鑑賞することができる。

 なお、「デジタル展示ケース」については、2012年1月2日より東京・上野の東京国立博物館で開催される同館140周年特集陳列「天翔ける龍」において公開される。ケースでは、江戸時代から明治時代にかけて制作された工芸品・自在置物のうち、龍を再現した「自在置物 龍」が展示される予定で、手脚や胴、尾、首などをまるで生きているかのように動かして楽しむことができる。



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