自分がどのくらい熟睡してるか知ってますか? オムロン睡眠計「HS-101」で測ってみた(2/2 ページ)
自分がどのくらいちゃんと眠っているのか、把握している人はどのくらいいるだろうか。オムロン睡眠計「HS-101」で実際に睡眠を計測してみた。
睡眠を記録するには、寝る前にHSL-101の「おやすみ」ボタンを押し、起きたときに「起床」ボタンを押す。就寝時間と起床時間がほぼ決まっているなら、決まった時間に計測スタート/終了する「オート計測モード」もある。どちらの場合であってもセンサーがオンになっていても、センサー範囲内に人の動きがなければ(そこにいなければ)睡眠計測は開始されない。実は試用中に2日ほどデータが取れなかったことがあったのだが、それは、1回はボタンの押し忘れで、もう1回は家族がセンサーの向きを変えてしまったため。向きと距離があっていれば測定に失敗することはなかった。センサーの計測精度は十分と言えるだろう。
HSL-101本体の操作ボタン、測定開始前に押す「おやすみ」ボタン、起床時には「表示/起床」を2度押しする。普段ディスプレイには輝度を落とした状態で時計が表示されており、「表示」ボタンを押すと明るくなる。本体内に記録した睡眠記録データを表示する場合には「メモリ」ボタンを押す。ベルのマークは目覚まし設定ボタンだ
睡眠の記録に関しては、布団に入る前と起きるときにボタンを押すだけなので、簡単で楽、というほかはない。起床ボタンを押すとそのときの睡眠時間は表示してくれるので、何時間寝たのかはWebサイトにデータを送らなくても確認できる(過去7日間さかのぼって表示可能)。なお、センサーの稼働の有無にかかわらずHSL-101の動作音は全く聞こえない。
「メモリ」ボタンを押して本体内の睡眠データを表示させたところ。中央のデジタル表示が睡眠時間、円形になっている「点」は時計を、点線が睡眠時間を表しており、およその就寝・起床時間が分かる。液晶部右下の「×」のようなマークはFeliCa/NFCの送受信部で、ここにスマートフォンの背面を近づけてデータ通信する。スマートフォンに転送されたデータは、本体からは消去される
HSL-101本体のメモリーには最大で14日分の睡眠データを記録できる。データをウェルネスリンクに送るには、(1)本体のUSBポートとPCをUSBケーブル接続してデータを移す、(2)本体のSDカードスロットにSDカードを挿してデータを記録し、PCにデータを移す、(3)おサイフケータイ機能/NFC(Near Field Communication)機能を持つAndroidスマートフォンにWellnessLINKアプリをインストールし、無線通信でデータを移す、という3つの方法がある。今回はNFC機能を持つAndroidスマートフォン「SC-05D」(NTTドコモ)を使い、PCなしで利用してみた。
Androidスマートフォン「SC-05D」でNFC機能を使ってデータを通信しているところ。通信中はHSL-101本体のディスプレイ部がアニメーション表示となる。途中でスマートフォンを動かして通信できない状態にしてみたが、通信エラーと表示されるもののデータが失われることはなかった
WellnessLINKアプリをGoogle playからダウンロードしてインストールし、ユーザー登録(生年月日や性別、住んでいる地域など)と機器登録を済ませればHSL-101と通信できる。アプリを起動してデータ転送モードにし、HSL-101の液晶ディスプレイのすぐ下にある「×」に似たマークにスマートフォンの背面を当てるようにかざし、そのまま少し待つと本体のディスプレイ表示が転送モードに変わり、データ転送が始まる。利用するスマートフォンやデータ量によって転送時間は変わると思われるが、私の場合はおよそ数十秒〜2分弱といったところだった。その間はあまり動かないよう持っていなくてはならないので、30秒以内ぐらいで済むと良いなと感じた。
WellnessLINK自体はオムロン ヘルスケアの対応機器のデータを読み出して、ウェルネスリンクにデータを転送するシンプルなアプリで、グラフの表示や分析リポートなどはすべてウェルネスリンクサイトにアクセスして見ることになる。もちろんPCでもスマートフォンでもアクセスできるのだが、6月4日現在でスマートフォン向け表示には対応していないので、PCでアクセスする方がずっと楽だ。
さて、14日分の睡眠を記録すると分析リポート「ねむりガイド」が利用できる。ねむりガイドは「寝付き時間」「夜中の目覚め」「朝早い目覚め」「睡眠不足」「睡眠リズム」の5つの観点で分析するというもの。HSL-101から転送した睡眠データと、ユーザーが申告する悩みをもとに14日間の評価とアドバイスを表示してくれる。私の場合、眠りの悩みは「日中のひどい眠気を減らしたい」と設定したのだがそれについてのリポートでは、睡眠時間が短め(平均4時間49分)なことや、日ごとの起床時刻にばらつきが大きい(最も早い起床と遅い起床で2時間36分の差)ことなどを指摘され、休日でも規則的な生活リズムを保つようアドバイスをもらった。
ウェルネスリンクに14日分(連続14日間でなくてもよい)の睡眠データを送ると利用できる「ねむりガイド」。寝付きまでの時間や夜中の目覚め、睡眠時間や起床時間のリズムなどの分析が無料で行えるのはありがたい
ねむりガイドは、14日分のデータを1クールとして分析してくれるので、継続して記録すれば、どのように改善したか(もしくは悪化したか)が一目瞭然となる。さらに有料オプション(月額315円)となるが、睡眠に関する自分の生活習慣を振り返り、具体的な目標を設定して生活習慣の改善に挑戦し、眠りが改善したかどうかをリポートする「ぐっすりチャレンジプログラム」を利用することもできる。
HSL-101とウェルネスリンクを組み合わせたサービスは、「睡眠」を時間だけでなくその中身(質)を比較的簡単かつ分かりやすく見せてくれ、かなり参考になった。HSL-101はオープン価格だが、原稿執筆時点ではおよそ2万円弱で販売されている。ウェルネスリンクの基本サービスは無料ということもあり、ほかの睡眠記録機器・サービス(一般的にもっと高価格)と比べお買い得感がある。オムロン ヘルスケアの体重計や血圧計などのデータもウェルネスリンクで統合的に管理できるのもよい。ちょっと惜しいと思ったのは、ウェルネスリンクサイトがスマートフォン向け表示に対応していないことだ。データ転送からサービス利用までスマートフォンで済むようになると、より使い勝手が良くなると思うので対応を望みたい。
睡眠計に興味を持たれた方は、オムロン ヘルスケアの睡眠関連サイト「ねむりラボ」に、モニターレポートや実機を試せるイベントなどの情報が掲載されているのでのぞいてみてはいかがだろうか。
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