30分1万円は高い? 安い? プロも太鼓判を押す「バーチャルサーキット」でタマヒュン体験してきた
東京のド真ん中にオープンした「バーチャルサーキット」がなんかスゴいらしいので体験してきました。
東京・赤坂にオープンした「東京バーチャルサーキット」が注目を集めている。料金は30分で1万円と決して安くはないが、それでも連日の利用客でほぼ予約は埋まっているという。
バーチャルサーキットの正体は、日本初上陸、世界にもまだ5台しか存在しないという本格レーシングシミュレーターだ。180度の巨大スクリーンを備え、ハンドルやアクセル、ブレーキといった操作系も実車に限りなく近いものを採用。マシンの挙動は物理エンジンによって演算され、実車と変わらない走行感覚が味わえる。
30分1万円という料金をどう見るかは人それぞれだが、元プロドライバーで、同サーキットの「塾長」を務める砂子智彦氏は「実際に体験してもらえば、決して高い価格ではないということが分かってもらえるはずです」と太鼓判を押す。
近ごろはゲームでも「Forza」や「グランツーリスモ」など、リアルな挙動をウリにしたものが主流だが、「東京バーチャルサーキット」が目指すのはさらに一段上のリアルさだ。「楽しむためのものではなく、ガチでうまくなりたい人がトレーニングに使うもの」と砂子塾長。
「ゲームは練習すれば誰でも速くなれるかもしれない。でもこのシミュレーターで速いのは、やっぱりプロのレースドライバーなんです。そこが一番の違い」(砂子塾長)
そこまで言うのなら、と筆者も試乗させてもらった。コックピットに乗り込むと、思ったよりもずっと狭い。シミュレーターが起動し、目の前にサーキットの映像が映し出されると、思わず「うおっ」と身構えてしまった。
おそるおそるアクセルを踏むと、ゆっくりと視界が後ろに流れていく。シミュレーターだと分かっているのに、アクセルを踏み込むのが怖い! 自動車教習所で、はじめてホンモノの車を運転した時のような感覚。ハンドルから伝わる反発もリアルで、しっかり握っていないと腕が振り回されそうになる。
30分ほど走らせてもらったが、気づけば汗びっしょり。事前に「着替えのTシャツを持ってきた方がいいですよ」と言われた意味がようやく分かった。ついでに翌日は両腕がパンパンになっていてビックリした。
このリアルな「疲れ」は、確かにゲームでは味わえないかもしれない。オーバースピードでコーナーに突っ込んだ時は「うわっ」と思わず目をつむってしまったし、ミスってスピンしてしまった時は本気で悔しかった。反面、ラップタイムを縮めていくのが楽しくて、いくら走っていても飽きない。これがモータースポーツの楽しさなのか! と目から鱗が落ちた。
砂子塾長は「楽しむためのものではない」と言っていたが、同時にこうも言う。「でも結局、一番面白いのは本物なんです」。
利用者はプロからアマチュアまで幅広い。実車での走行前にシミュレーターで練習していくという人、まだ実車でサーキットを走ったことはないけれど、興味はあるという人――。レースゲームが好きで、一度本格的なシミュレーターで走ってみたかった、という人も多いそうだ。
通常のトレーニングコースは30分1万円だが、初めて体験する人向けの「体験コース」なら30分5000円(内容は富士スピードウェイ7周)。
「モータースポーツはどうしても敷居が高いと思われがち。シミュレーターなら初心者でも気軽に体験できますし、もっと多くの人に楽しさを知ってほしい」(砂子塾長)
日本では前例のないバーチャルサーキットだが、利用者はほぼ例外なく「汗だくになりながらも、大興奮して帰っていきます」という。モータースポーツに少しでも興味があるのなら、一度体験してみて損はない。
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