ハリウッド実写映画化や、新世代エンジン「FOXエンジン」デモなどが公開された「METAL GEAR 25th ANNIVERSARY PARTY」をリポート：「メタルギア」25周年（3/3 ページ）

「メタルギア」の25周年を祝して開催されたプレミアムイベント。小島秀夫監督魂（スピリット）が詰め込まれたイベントの様子と、シリーズの新情報をお伝えする。

[蒼之スギウラ，ITmedia]

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

今こそ「FOXエンジン」の力を見せる時！　実は「メタルギア」の新作もさらっと発表？

　これですべてのステージが終了したかと思われたが、最後に特大サプライズネタが用意されていた。それは、以前に「トランスファリング」と並んで公開された、小島プロダクションオリジナルの新ゲームエンジン「FOXエンジン」のプロモーションだ。このステージに関しては一切の写真撮影等が禁じられていたので、画像などでお伝えすることは、そこで見られた内容をできるだけ紹介していく。

　「FOXエンジン」自体に関しての詳細な情報はまだまだ謎に包まれているが、小島氏によると「広いオープンワールドの世界を、ロード無しで遊べるゲームを作れる」ものらしい。あまりにざっくりしているが、実現できるならばそんなに良いことはない。

　今回公開されたプレイアブルデモは、リアルタイムにPS3、およびXbox360相当の処理能力を持つゲーム機を模したPC上で動かされていた。スネークも登場し、コントローラーを握って実際にグリグリと動かしていたので、リアルタイムに描画されているのは間違いない。しかし、その映像はまさに実写のようだ。「実写のようだ」と言うとずいぶん使い古された言葉になってしまうが、それを一切の遠慮なしに言えてしまうほどの写実っぷりを見せつけてくれた。

　何より驚いたのは、このデモがすでにゲームとして「動かせる」域に達していることだ。草をかき分けたら中からネズミが飛び出したり、雨で帽子の「へり」が不規則に上下していたり……。ゲームが動いているさまが本当にリアルなのだ。小島氏の発言によると、斜面が急な場所に立とうとすると、ズリズリと滑り落ちてしまうこともあるらしい。

　デモの中には、小島氏が手がける作品であることを示す「KOJIMAHIDEO GAME」の文字が表示されており、「METAL GEAR SOLID GROUND Zeroes」というタイトルらしき文字も確認できた。これはFOXエンジンを使用したメタルギアの新作、と言えるかもしれない。

　このエンジンについて小島氏は「オープンワールドのゲームって、作るのが一番難しいんです。なので、まずは自分達がオープンワールドを制作しました。これはあくまで現行機レベルのものなので、次世代となればもっとすごいことになります」とコメント。なんとも夢の広がる技術である。

　最後に小島氏は「技術的や熱量的では、日本は世界に負けていて、このFOXエンジンでようやく追いつこうとしているところです。これは、世界に戦いを挑む宣言でもあります。そんなに長い時間は待たせません。FOXエンジンは、より自由度が高く、グラフィックの良いゲームを、皆さんに提供します」というメッセージを伝え、ステージを締めくった。

　小島氏が「追いついた」とまで宣言したFOXエンジンの力を、自分の手と目で確認できる日は、そんなに遠くないのかもしれない。今は、その発表が行われる日を期待して待つこととしよう。