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自作リアル戦車戦アトラクション「パンツァーウォリャーズ」を見てきた!!(1/2 ページ)

第二次世界大戦の西部戦線をリアルに再現!? RC戦車にカメラを搭載、自作戦車戦アトラクションはあまりにも本格的だった!

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予測できない戦場体験を!

 「パンツァーウォリャーズ」は第二次世界大戦当時のドイツ軍の戦車4台、アメリカ軍の戦車4台で戦闘するというRC戦車アトラクションです。施設内はドイツ軍サイド、アメリカ軍サイドと各陣営ごとにスペースが分かれており、その中で1両につき砲手、操縦手の2名がペアになって戦うので、8人対8人の総勢16名で1ゲームが行われることになります。これだけ大がかりのアトラクションを賃貸ビル物件から1人で探し出し、戦車1両1両はもとより、フィールドの木々の1本1本にいたるまで一人で配置して作り上げたのが、森 正道氏なのです。

画像 戦車戦アトラクション「パンツァーウォリャーズ」を自作した森 正道氏。手に持っているのはタミヤのRC戦車だが、改造され内部にはカメラなどが追加されている

 森氏は、元々、プレイステーションの戦車戦ゲーム「パンツァーフロント」をプレイしていた際、全ミッションをクリアするまで堪能したところで、「1人だけでなくみんなでプレイしたいな」と思ったそうです。それに加えて、ゲームのプログラムの中の限定された条件、設定された条件で戦うのではなく、偶然性の伴う「予測不能なリアルな戦闘がしてみたい」と思うようになったのもアトラクション製作にいたった理由だそうです。

 RC戦車では、いつもはなんということもなく走行していた道の障害物に、なぜかそのときだけ引っかかり走行不能になったことがきっかけで撃破されるということも起こります。もしゲームでそういうことがあったとしたら、バグだとか、データがおかしいと思ってしまうかもしれません。しかし、RC戦車が引っかかったらそれはもう、操縦手がそういう操縦をしたということですから、文句のいいようがないわけです。

画像 ベースのRC戦車はすべてタミヤ製。製作当時いろいろと試行錯誤していたところ、タミヤから赤外線バトルシステムが搭載されたRC戦車が発売されたことが、「パンツァーウォリャーズ」のシステム構築を強力に後押しした

これが4対4、8両の戦車による実際のゲーム中映像だ。ゲームごとに、森氏が編集した映像をYouTubeにアップしている

なぜ全部1人で用意してしまったのか?

 しかし、森氏はなぜすべて自前で用意してしまったのでしょうか? 聞けば、RC戦車好きの同好の士がいないこともないようです。フィールドだけ森氏が用意して「おのおのが自慢のRC戦車を持ち寄る」という方式でも良かったのでは、という疑問がわいてきます。ところがそれが大問題なのだとか。

 個人個人が自分の戦車を持ち寄る方式だと必ず、無線の干渉が問題となってプレイどころではなくなったり、人によってはあまりに外装に凝りすぎてしまいパーツが折れてしまってゲームが中断ということが多いのだそうです。ならば、自分で戦車もフィールドもすべて一式セットで用意してしまって、トラブルなく存分にプレイに集中したいと思ったのが「パンツァーウォリャーズ」を作った一番の動機なのだそうです。

画像 使用しているRC戦車は、戦車同士の激突や障害物との接触で割れたり折れたりするパーツが極力外されている。カメラなどの固定には、接着剤を使わずレジンで固めているという徹底ぶりだ

画像 何気なく配置されているように見える壁のコントローラーも、アンテナの位置が計算されており戦車がフィールドのどの位置に行っても干渉することがないようになっている

ドイツ戦車と米国戦車の違いを再現

 もともとの製品では、ドイツ戦車と米国戦車の違いは見た目だけです。しかし、それではおもしろくないし、リアルでない。そこで、森氏はドイツの装甲の厚いタイガー戦車とヤクトパンサーに関しては、米国のシャーマン戦車の砲では前面装甲を射抜けなかったという史実に基づき、被弾判定なしにしています。つまり、シャーマンの攻撃が有効となるのは、後方、あるいは左右側面からのみということです。また、重装甲のドイツ戦車と米国の戦車が同じ速度なのもおかしいので、ドイツ戦車は元の速度の3分の1に、米国戦車は2分の1にしています。これらの差異で、重装甲のドイツ、機動力の米国とそれぞれの持ち味を生かした戦法を要求されるようになっています。

画像 ドイツのヤークトパンサーには、左右側面と後部にしか赤外線センサーが配置されていないため、前面からの攻撃は無効となる設定だ

画像 米国のシャーマンは、前後左右すべてに赤外線センサーが配置されているので撃たれ弱いが、速度はドイツ戦車より速い。ちなみに砲塔上面などの処理が甘いのは、操縦手、射手のカメラ視点だと映らない部分だからだ

画像 ドイツの三号突撃砲。森氏が指差している部分に、操縦手用のカメラが仕込まれている。実際の戦車でも、操縦手は戦闘中、スリットから外を見て操縦していたのでリアルである

画像 操縦席の様子。操縦系は、家庭用ゲームのレーシングコントローラーを改造して使用している

操縦中の様子。後ろに配置されている射手席のプレイヤーと、コミュニケーションを取りながら操縦している

画像画像 射手席の様子。ヘッドマウントディスプレイを見ながら、砲塔を左右に旋回させて砲撃する

射撃中の様子。砲手が車長的立場も兼ねて、操縦手をリードして射撃位置に導き敵戦車を撃破するのが秘訣か

タイガーとシャーマンの速度比較。戦闘では、この速度差を考慮した立ち回りが要求される

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