5:「ドラクエ」シリーズがついにMMOに! 「ドラゴンクエストX」発売
国民的RPGである、「ドラクエ」こと「ドラゴンクエスト」シリーズのナンバリングタイトル「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」(以下、「DQX」)が8月2日にWii用ソフトとして発売されました。本作はシリーズ初となるMMOになったのが最大の特徴であることは、もはやあらためて語るまでもないでしょう。
販売本数は8月終了時点ですでに50万本を突破(※メディアクリエイト調べ)した「DQX」ですが、前作の「DQIX」が400万本以上売れていたことを考えると一見ビジネスとしては大失敗したようにも思えるかもしれません。しかし本作はMMOですので、オンラインモードを利用するユーザーから一定期間の課金を見込んだうえでのビジネスモデルになっていますから、単純にソフトの販売本数だけでヒットかどうかを判断するのは誤りです。にもかかわらず、本作に関する報道においては販売本数だけしか見ずに「低調」などと記事を掲載した新聞などのメディアが散見されたことは本当に残念でした(※これでは無断転載とミスリードだらけの個人ブログと同レベルですよね……)。
昨年9月5日に行われた新作発表会において、本作がMMOとなって発売されると判明した直後、筆者の同業者である知人の一部に「オンラインになって、1人じゃできない『ドラクエ』だなんて『ドラクエ』じゃない!」などと本気で語る“スタンドアローン原理主義者”のような方がいらっしゃいました(苦笑)。しかし、シリーズ第1弾が出てから26年も経過しているのに何も進歩がないのでは、それはそれで問題というものでしょう。
そして11月6日にスクウェア・エニックスは、発売後3カ月で有料プレイヤー数が40万人を突破したと発表。仮に、40万人のユーザーが30日で1000円の利用券を購入しているとすれば1カ月で4億円、月の平均ユーザー数が40万人の状態が1年続けば48億円の売上になる勘定です(※あくまでも単純計算です)。もしこのまま順調に推移すれば、将来はかの「ファイナルファンタジーXI」をも超える売上・利益を記録することになるかもしれません。はたして、近い将来に新たなる”ドラクエ伝説”が生まれることになるのでしょうか?
6:ニンテンドー3DS用ソフト、パッケージ版とダウンロード版の同時発売を開始
7月27日には、ニンテンドー3DS用ソフトとして「Newスーパーマリオブラザーズ2」「東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング」が発売されました。任天堂の看板シリーズが登場すること自体は別に驚きでも何でもないのですが、わざわざここで取り上げたのは本作のパッケージ版とダウンロード版が同じ日に発売されるという試みをしていたことによります。
ダウンロード版の購入方法には、3DSの「ニンテンドーeショップ」で直接購入する方法と、店頭でダウンロード番号が記入されたダウンロードカードを購入後に「ニンテンドーeショップ」で番号を入力して手に入れる方法、およびオンラインショップ(※ショップの一覧は下記リンク参照)にて「ダウンロード番号」を購入後、同じく番号を「ニンテンドーeショップ」に入力する方法の3通りがあります。ちなみに筆者は、発売から1カ月ほど経った8月末頃に近所のゲームショップへ「Newスーパーマリオブラザーズ2」を買いに行ったら、あいにくパッケージ版が品切れ。さらにダウンロード版は取り扱っていなかったので、すぐ近くにあるコンビニでダウンロードカードを購入して入手ました。
ゲームの中身はパッケージ、ダウンロード版ともにもちろん同じです。違っているのは店頭での実勢価格(※一般的にパッケージ版のほうが安い)と、パッケージ版は購入後にROMや箱という“現物”が残ることぐらいでしょうか。
実は筆者、ダウンロード版だと紙のマニュアルが当然ながらついていないため、もし途中で遊び方が分からなくなったらどうしようという不安がありました。しかし、いざ遊んでみたら基本となる操作は以前のシリーズとほぼ同じであり、プレイ中にHOMEボタンを押せばマニュアルがいつでも見られるようになっていたので、ダウンロード版を買ったことで困るようなことは何もありませんでした。
思えば昨年発売された「スーパーマリオ3Dランド」でも、パッケージ内にはマニュアルらしいマニュアルは添付されておらず、「アクションガイド」という基本操作の説明だけを書いた紙が1枚入っているだけでした。それでもプレイ中に何か困るようなことはなく、こと「スーパーマリオ」のシリーズに関しては、昔ながらの数十ページにわたるマニュアルは事実上不要になったと言ってもよさそうです。よって、パッケージのコレクションや値段の差異にこだわらない人は、今後はダウンロード版を利用したほうが(保管場所を取らないなどの理由で)便利でしょう。
また、上記2タイトルは「夏のダウンロード版キャンペーン」と称する期間限定のサービスも行われました。これはダウンロード版を購入した人に限り、クラブニンテンドーポイントの増加と、ニンテンドー3DS用ソフト「ドンキーコング オリジナル・エディション」がプレゼントされる特典が得られるというもの。ダウンロード版発売の認知度向上が目的で実施したとは思いますが、パッケージ版だけを取り扱う従来の小売店にとっては、正直あまり気分のいいお話ではなかったでしょう。あるいは、ダウンロード版で満足というユーザーが以後コンビニにさらに流れてしまうことになるかもしれません。
なお、小売店でのダウンロード版取り扱いの問題については、以下の「任天堂の『ダウンロードカード』販売に小売店が不満を漏らす理由を」が参考になります。
もっとも、今どき「ドンキーコング」でまんまと釣られてしまうような人は余程の変わり種しかいないような気もしますが……あ、筆者もこれ目的で買ったのを今思い出しました(笑)。
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