ヤマハ発動機のスポーツクルーザーに乗って来た!(1/3 ページ)
いつもは小型ガジェットを紹介することが多いわけですが、たまには大きい製品も紹介してみましょうということで、行って来ました真冬の東京湾。ヤマハ発動機のスポーツクルーザーに乗って来ました。
ヤマハの意欲作「SR310」とは?
私は船といったら、カヌー体験しましたとか、ビッグサイト取材の帰りにシーバスに乗りましたとか、近年その程度の記憶しかありません。しかし今回、ボートのプロフェッショナルである、ヤマハ発動機の皆さんにお話を聞く機会をいただきました。そこで、気になるお値段から、免許の取得方法、試乗させていただくスポーツボート「SR310」の魅力までをうかがいます。
まずは静岡でも横浜でもなく、東京からすぐに乗り出せると聞いて、びっくりしたのとイメージ映像が「かっこ良すぎじゃないの?」と思ってしまったのですが……。
ヤマハ発動機(以下、ヤマハ) ボートというと、一般的には自動車ほど馴染みがないかもしれません。でも、日本は島国ですから、皆さんが思っているよりも身近な乗り物なんです。
東京や横浜にはボートで乗り付けることができる水辺のレストランなどもあって、クルージングがてらそういったお店に立ち寄って楽しまれる方もいらっしゃいます。スポーツカーでドライブする感覚ですね。海には、道路も渋滞もないという違いはありますが。
「ボートはお金持ちの遊び」なんて考えている方も多いのですが、ヤマハではレンタカー感覚の費用、全国約140カ所のマリーナでボートがレンタルできるヤマハマリンクラブ・シースタイルも運営しています。
その一方で、所有するとなるとボートは高価な商品ですので、目の肥えたお客様にご満足いただくために「走行性能」「居住性」「質感」「デザイン」などすべてにこだわって創りあげた自信作、それがこの「SR310」なんです。
世界で認められたヤマハの船外機
―― ドライブ感覚ですか。渋滞がないのはうらやましいです。身近な乗り物と聞いたところで俄然、興味がわいてきましたが、今回乗せていただくオススメのスポーツボート、「SR310」とはいったいどういったものなのでしょうか。船外機スポーツボートというカテゴリーですが、そもそも「船外機」というのはどういうものなのでしょうか?
ヤマハ 「船外機」とはボートのエンジンの搭載形式のひとつで、エンジンとその補機、ギア、クラッチ、伝動シャフトなどの動力伝達系統、スクリュー等が一体となった船舶の推進ユニットのことです。
船舶のトランサム(船尾部分)に取り付けて使用され、多くの場合は船外機自体の向きを水平方向に変えることで舵(かじ)の役目も担っています。船外機には3つの特長があって、1に小型・軽量でコストが安い、2にメンテナンスが容易、3に船尾に取り付けるため船体のスペース効率に優れる、ということがいえます。
ヤマハ発動機の船外機は50年間以上にわたって開発、販売してきたという実績があり、世界的にも定評があります。その実績ある船外機を生かして、ワールドワイドで市場にアピールできるものを創ろうというのが、「SR310」のコンセプトなのです。
―― なるほど、ヤマハ発動機の強みを生かした船ということですね。船外機ということ以外の特徴はどんなものなのでしょうか? 素人目にもボートというよりスポーツカーのような、シャープなデザインだと思ったのですが。
ヤマハ 少々、専門的な話になるのと、今までお話ししてきたように「船外機だから」という点が大きいのですが、まず、出力に余裕のある300から350馬力の船外機と、ヤマハ独自のウェイブ・スラスター・ブレード、アンチ・ローリング・ブレードなど最先端の技術を盛り込んだハル(船体)の組み合わせによる走行性能の高さがあります。
ボートの場合にはハルが自動車でいうタイヤやサスペンションの役割も果たすので、特に、船底の形状が走行時の乗り心地や停泊時の安定性に密接な関わりあるのです。この形状を含めて船体のデザインは、我々が長年ボート開発の中で培った経験を生かしつつ、独自の3Dデザインや性能解析プログラムなどを駆使して行っています。
船体のFRP(繊維強化プラスチック)は型で抜いて作るため、船側に凹凸のある形状を織り込むのは難しいものなのですが、「SR310」では、独自技術を駆使して鮮やかな船体側面のキャラクターラインや複雑なブレード形状を実現しているのです。
さらに、完成した試作艇では徹底した航走耐久試験により評価を行い、高い艇体剛性や優れた走行性能、耐候性能などを実現しています。
それから、一般的な船外機艇は船体の後部に船外機があるわけですから、船体後部からの乗り降りがしにくかったり、船外機の周囲がデッドスペースになりがちです。
「SR310」では、船外機の周囲をトランサムステップで囲うことで、船外機艇とは思えないようなトランサム親水性が持つほか、船外機の上部にもサンベットを配するなどこれまでなかったようなレイアウトを採用しています。
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