プラモ「俺たちの 1/12 便所」シリーズについて、なに考えているのか聞いてきた!:マイルストンx青島文化教材社(2/4 ページ)
開発者の「邪悪な善意」すら感じるということで、1/12 アクションフィギュア界隈で話題騒然となっているプラモデル「俺たちの 1/12 便所」シリーズ。このシリーズの制作がどのように開始され、このシリーズは今後どうなってしまうのか聞いてきました。
自動車のプラモと同じ手順で制作
―― 「俺たちの 便所」企画を最初に聞いたとき、アオシマさんとしてはどうでしたか? 「アオシマ」というと、艦船や戦車のプラモデルなど、硬派なイメージを持っている人も多いと思いますが、社風に合わないということはなかったのでしょうか?
久保田氏 それはまったくなかったですね。アオシマには、すでにフィギュアや痛車プラモデルのラインアップもありますし、その手のものが大好きな社員もいます。そういった点で、下地はできていたといえます。それから、私はこの「俺たちの 便所」プロジェクトには途中から関わるようになったのですが、前任者が「便所」が大好きということもありました。
―― 大好きといいますと? トイレのどういった点がお好きなのでしょうか?
久保田氏 「便所」という、プラモデルのテーマとしては普通でないところから、便器の造形物としての美しさ、そういったものを本当に愛している。「便所」愛にあふれているんですね。
その彼が、試作品を作る際の資料作りのため、非常に熱心に駅や公園、あらゆる便器を撮影しまくっていたんです。それはもう、不審者として職務質問を受けたりするんじゃないかと心配なぐらいに。まあ、彼は特別だったとしても、周囲のほかのスタッフからも上司からも、否定的な意見は一切なかったですね。
―― あらゆる便器を撮影というのはすごいですね。だとすると、「俺たちの 便所」プラモデルは、ほかのプラモデルと同じような手間をかけて作られているということですか?
久保田氏 そうです。飛行機や自動車のプラモデルを制作するときも、許される限り実物を取材しますが、「俺たちの 便所」シリーズもまったく同じ手順で制作しています。
ただ、便器の形状というものは、便器製造メーカーさんが特許をお持ちだったりしますので、まったく同じにはできません。便器のデザインは、一般的な便器の形状を参考としながらも、アオシマのオリジナルということになります。
目指したのは「ダサい便器」
―― マイルストンさんから、アオシマさんへ「便器」デザインについて何か注文をつけた部分はありますか?
井上氏 アオシマさんの製品クォリティは信頼していますので、基本的におまかせした部分も多かったのですが、「もっと、ダサく!」という注文はさせていただきました。
―― え!? 格好悪くしたということですか?
井上氏 そうです。我々も、学校の「便所」はかくあるべしという信念がありまして……。
久保田氏 当初、紙で作った試作品は、最新の家庭用便器をイメージした、ちょっと丸みがかったオシャレなものだったんです。それでは「学校の便器っぽくない!」ということで、ご要望をいただきまして。これが要望書の一部なのですが……。
井上氏 かなり、わがままをいわせていただきました。
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