プラモ「俺たちの 1/12 便所」シリーズについて、なに考えているのか聞いてきた!:マイルストンx青島文化教材社(3/4 ページ)
開発者の「邪悪な善意」すら感じるということで、1/12 アクションフィギュア界隈で話題騒然となっているプラモデル「俺たちの 1/12 便所」シリーズ。このシリーズの制作がどのように開始され、このシリーズは今後どうなってしまうのか聞いてきました。
初のプラモ製品にして妥協なし
―― それは、アオシマさんとしては大変でしたね。
久保田氏 いや、それが、早い段階からいっていただけたので、すべて対応できたんです。大変だったというより、むしろ目指すところがはっきりしてありがたかったですね。現場にもマイルストンさんの情熱が伝わったのか「もっと要望はないのか?」という感じで、みんな楽しんで作業していました。
井上氏 そういっていただけるとありがたいです。おかげさまで、我社として初のプラモデル製品にもかかわらず、妥協ゼロ、100%要求通りで「会心のデキです」と、お客様に胸を張ることができます。何も指定しなかったのに、「臭い返し」まで作っていただけたのには感激しました。
無限に接続可能な「俺たちの 学校の便所」
―― 今までのお話だけでも、尋常ならざるこだわりを感じますが、便器のデザインのほかにもこだわった点はありますか?
井上氏 壁ですね。
―― 壁? ですか……。
久保田氏 試作品では、壁の裏側は型抜きされたままだったんです。プラモデルというのは、金型と呼ばれる型にプラスチックを流し込んで作りますが、型抜きの都合上、パーツの裏側というのは、中身のないえぐれた形状にせざるをえないのです。ですから、試作品では壁の裏側は目に触れないという前提で、なんの処理もしていない状態だったんです。
井上氏 でも、それだと複数個買っていただいたとき、無改造で並べて設置することができないんです。やっぱり、学校のトイレの個室は2個、3個と並んでいる姿が正しいのではないかと……。
久保田氏 結局、1つのパーツで構成されていた壁を、2つのパーツを合わせた構成とすることで、両面ともタイル地にして、並べて配置したときに違和感がないようにしました。
井上氏 要するに、1つしかお買い上げいただかない場合でも、連結用の反対の壁の代金も含まれていることになりますので、ここはぜひとも2つ以上お買い上げいただいて、裏側の壁までしっかり有効活用していただきたいです。
ワンフェスのアオシマさんブースにいらっしゃったあるお客様は、ネットショップで「5つ、ぽちっとしちゃいました!」とおっしゃっていたそうです。ぜひとも複数個買って遊んでいただきたいですね。広い場所さえ確保してもらえれば、無限に接続可能な仕様となっていますので。
2つ以上ということでは、「俺たちの 1/12 男子便所」では、「便器は2つ以上」というところだけは、なんとしても譲れないところでした。そこで、最初から仕様に組み込んでいましたので、ちゃんと2つ便器が並んだ状態で製品化しています。ご購入、組み立て後、すぐに安心して「連れション」していただけるというわけです。高速道路のサービスエリアのごとく、10個ぐらい並べていただいても壮観だと思いますよ!
アオシマこだわりの便器や配管の造形美
―― 「俺たちの 1/12 便所」シリーズは、情報公開されてから反響大ですが、マイルストンさん、アオシマさんの狙いすました自信作ということで、それはもう当然といった感じだったのでしょうか?
井上氏 いえ、それが、本当に受注が入ってくるまでは正直心配でした。弊社は卸しもやっているだけに、販売店さんの御担当者などに前評判がよくても、実際はヒットに結びつかなかったという製品の販売も経験していますので……。
久保田氏 我々は、作っていて手応えがありましたので大丈夫だと直感的に思っていました。製品サンプルを仕上げたところで、すでにデキのよいモデルだということが分かっていましたから。便器や配管の造形がすばらしく、美しかったんです。
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