プラモ「俺たちの 1/12 便所」シリーズについて、なに考えているのか聞いてきた!:マイルストンx青島文化教材社(4/4 ページ)
開発者の「邪悪な善意」すら感じるということで、1/12 アクションフィギュア界隈で話題騒然となっているプラモデル「俺たちの 1/12 便所」シリーズ。このシリーズの制作がどのように開始され、このシリーズは今後どうなってしまうのか聞いてきました。
売れ行き好調ならバリエーション展開も
―― 鋭意開発中のところで、ちょっと気が早いかもしれませんが、今後の展開はどう考えてらっしゃいますか? 皆さん気になっている点だと思うのですが。
井上氏 先ほど説明した「俺たちの 和式便所」を発売すれば、当初の目的はいちおう達したことになります。シリーズが売れたら、バリエーション製品や拡張キットなどを企画したいですね。
久保田氏 プラモデルを成形する金型はあるわけですから、アオシマとしてもバリエーション製品はウェルカムですね。クリア版スケルトン仕様であるとか、メッキ仕上げの黄金仕様であるとか、秀吉風の個室から丸ごと金色の成金仕様であるとかいろいろ考えられます。
探査機「はやぶさ」のプラモデルでも、蓄光仕様やメッキ仕様を発売したことがありますし、いくらでも対応できるんです。皆さんに買っていただけて、そういった展開ができるようになるとよいですね。
井上氏 1/12 アクションフィギュア向けの製品が増えることで、相乗効果となって、フィギュアも関連製品も売れるということになればと思います。
それに、外国の方の日本土産という需要もあるんじゃないかと思うんです。秋葉原のお店に置いてもらったりとか。今まで、このスケールのトイレというと、ドールハウス用のアンティーク調のものぐらいしかなくて、類似製品がないので珍しがってもらえると思いますし。
久保田氏 組み立て説明書には、ちゃんと英語の説明もありますよ。
井上氏 ただ、最近のプラモデルパッケージとしては掟破りなのですが、製品名に英語製品名を併記していないのです。パッケージの「便器」見れば、どんな国の人でも分かってもらえるだろう、ということで。ちょっとした試みなのですが。
遊んだら、成果を共有してほしい
―― もう少し長い目で見るとどうでしょう。このシリーズは「いったいどこまで行ってしまうんだ?」という疑問があるのですが。
井上氏 「俺たちの 1/12 便所」シリーズは、新たな市場を開拓できるような製品になったと自負しています。
先ほどの話にかぶりますが、ハセガワさんが王道的な製品を、アオシマさんがちょっとひねった製品を、そしてマイルストンがヘンな製品をということで、うまく棲み分けできているので、相乗効果で盛り上がるとよいと思います。
店舗によっては、1/12 情景プラモコーナーのようなものがすでにできているところもありますし。マックスファクトリーさんが「figma(フィグマ)」に力を入れて市場を開拓した、そしていま、その1/12 アクションフィギュアの市場が、フィギュア本体から周辺製品にまで拡大している。そこで、マイルストンとしてはマイルストンなりのやり方で、さらに盛り上げられたらと思っています。
弊社としては、「馬鹿だ!」と皆さんにおっしゃっていただくのが最高のほめ言葉だと思っていますから、そういっていただけるような企画をこれからも考えていきたいですね。個人的には、「分娩台」や「世界の拷問器具」という企画をいつか実現させたいと思っています。でも、1000個売れる算段はできても、それを1万個売る算段というのはなかなか難しいですね。
久保田氏 アオシマとしても似たようなところはありますね。今後も「頭がおかしい!」といってもらえるぐらい尖った製品を作っていきたいです。
―― アオシマさんとしては、「学校の階段」「ぶらんこ」に続く企画は考えているのでしょうか?
久保田氏 や、これ(「俺たちの 便器」シリーズ)が落ち着いたら、また何かはじまるかもしれませんが。いまはこれだけです!
「もっとヒドイ使い方を!」「とにかく1つ組み立ててみて!」
―― それでは最後に、読者の皆さん、いつもWebショップで「ぽちっ」としてくださっている皆さんにメッセージをお願いします。
井上氏 とにかく「俺たちの 便器」で楽しく遊んでいただきたいです。この場合の「楽しく」というのは人それぞれだと思うので、言い換えると……もっともっと「ヒドイ使い方」を考えてもらいたい! ということになりますね(笑)。
そして作って遊んだら、ぜひ画像をブログにアップするとか、成果を共有してもらいたいんです。そういったところで、いま1/12 アクションフィギュアの市場がまさに成熟しつつある、その瞬間も一緒に共有してもらえると思うんです。
久保田氏 いま「プラモ離れ」などという言われ方をしています。プラモデル未体験の方も、「最近は組み立ててないな」という方も、まずは1つ組み立てて、プラモデルというものを楽しんでみてほしいと思います。
その導入が「俺たちの 便所」であっても、自動車のプラモデルであってもぜんぜんかまわないと思うんですよ。アオシマとしては、どちらも同じように真剣に制作している自信作なんです。
それから、井上さんもおっしゃっていますが、ぜひブログなどで作例を公開してください! 開発陣一同、実は皆さんの作例を見るのがすごい楽しみなんです。
井上氏 「俺たちの 便所」は、赤字が出て会社から「こりゃたまらん!」といわれない限り、とことん続けたいシリーズです。今後のバリエーション展開のためにも、皆さんぜひ応援をお願いします!
そうそう、「俺たちの 和式便器」では、「阿部さん」とのコラボレーション構想もあります。実現のあかつきには、「阿部さん推薦」製品にしてもらおうと思っていますのでそちらも期待していてください。
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