子供から大人まで幅広い顧客層、タミヤの「ミニ四駆」:売れるのには理由がある(1/2 ページ)
タミヤの「ミニ四駆」といったらこの人、大会での実況などを務める「MCガッツ」氏に話をうかがった。子供から大人にまでファン層が広がっているという「ミニ四駆」ヒットの秘密に迫る。
「ピックアップトラック」がルーツ
今回は、子供だけでなく大人の購買者も増えているというヒット製品、タミヤの「ミニ四駆」について取り上げる。話をうかがうのは、タミヤの「ミニ四駆」といったらこの人、レースの実況などを務める「MCガッツ」氏だ。
―― まず、「ミニ四駆」という製品には様々なラインアップがありますが、「ミニ四駆」第1弾はどのような製品だったのでしょうか?
MCガッツ氏 いちばん初めの「ミニ四駆」製品第1弾はピックアップトラックの「フォード・レインジャー4×4」でした。これは1982年発売ですが、その頃のプラモデルはモーターライズといってモーターが組み込まれていて、走行タイプのものも多かったんです。
―― そういえば、子供の頃、走る戦車の模型を組み立てた後、本などで作った急勾配を強引に上らせようとして、よくひっくり返していたという記憶があります。私は、いま40歳代前半でいわゆる「ミニ四駆」世代とはズレているのですが。
MCガッツ氏 昔の自動車や戦車のプラモデルは、大人も楽しめるホビーというよりも、男児玩具という性質が強く、動かして遊ぶものが主流でした。だから、ディスプレイ専用の模型は「あれ? これ走らないの!?」といわれてしまうような時代もあったんです。
ですから「ミニ四駆」は、もともと子供でも手軽に楽しめるプラモデルというコンセプトで開発されたものなのですが、登坂力があって力強くどこでも走る四輪駆動のピックアップトラックが第1弾になったのはそういう背景もあるんです。高速レーサータイプが主流の「ミニ四駆」が、ハイスピード走行に適した2WDではなく4WDであるのは、そういうルーツだからなんですね。
はめ込み式で簡単組み立て
―― ミニ四駆は模型でありながらも、組み立ては難しくありませんね。
MCガッツ氏 接着剤がいらないスナップオン(はめ込み式)で、デカール(水に浸してから貼るタイプのシール)ではなく紙のシールが添付されており、電池ボックスやスイッチまわりにも一切配線がないのは、お子さんが1人で組み立てることができるようにというコンセプトによるものです。
―― 実は先日、最新作だとうかがって「エアロ サンダーショット」を買って組み立ててみたのですが、ギアにグリスを塗るのがちょっと手間かなと思ったぐらいで、割とあっさり組み立てが終わってしまいました。
幼稚園児の娘がボディにシールを貼った際に位置がちょっとズレたのですが、貼り直すことができる、破れないしっかりしたシールなのもありがたかったです。
塗装しなくてもシールを貼るだけでパッケージイラストのイメージに近い仕上がりになるのもうれしいですよね。ほかのプラモデルは組み立てはうまくできたなと思っても、塗装をしないと色味が少なくて味気なくなってしまうことがありますから。
MCガッツ氏 「ミニ四駆」はちゃんと説明図を見てもらえれば、簡単に組み立てられるようになっていますからね。
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