「牛乳で胃に膜」はウソ? 忘年会シーズン、知っておきたい“お酒の常識”5選:知らずに飲めない
忘年会にお正月、新年会と、これから続く宴会シーズン。お酒に関する間違った知識で、失敗してしまっていませんか?
寒さが厳しくなってきたと思ったら、あっという間に年末です。宴席も多くなり、普段以上に体調管理に気を配らなければいけない季節とも言えるでしょう。
今回は「お酒にまつわる常識」としてよく知られていることを5つ取り上げ、それぞれのウソ・ホントを解説します。間違って覚えてしまっている知識、ありませんか?
1. 牛乳で胃に膜を作ってから飲むと酔いづらい?
→ウソ。
牛乳で胃壁をコーティングすると、アルコールの吸収が遅くなる……ひところよく聞いた話だが、これはウソ。牛乳も当然胃液で消化されてしまうし、牛乳を飲んだ後に別の食べ物や飲み物を摂れば胃の中で撹拌(かくはん)されるため、「コーティング」というほどの効果はない。
ただし、牛乳に含まれるたんぱく質がアルコールの分解を助けるというのは事実なので、二日酔いには多少なりとも効果はある(が、別に牛乳でなくともよい)。「お酒と一緒に何か食べながら飲むと悪酔いしにくい」ということと同レベルの効果と考えておけばいいだろう。
2. チャンポンすると酔いが早くなる?
→ウソ。
ビールに焼酎、日本酒にウイスキー……いろいろなお酒をとっかえひっかえに飲む行為を指す“チャンポン”。よく「チャンポンすると悪酔いするぞ!」なんて言われるが、これも科学的な根拠はない俗説だ。
酔いを左右するのは、純粋にアルコールの摂取量。チャンポンで次々に違うお酒に手を出すと、そのたびに口当たりが変わるのでついつい飲み過ぎてしまう……ということはあるかもしれないが、では一種類のお酒だけをたくさん飲んだ方がマシなのか、というと決してそんなことはない。大事なのはあくまでもアルコールの摂取量を抑えることだ。
3. お酒のカロリーは太らない?
→半分ホント、半分ウソ。
お酒を普段からよく飲む人は当然認識していると思うが、アルコールのカロリーは意外に高い。純アルコール(エタノール)のカロリーは1グラムあたり7kcal。350mlの缶ビール1本で140kcalだ。茶碗1杯(140グラム)のごはんが235kcalなので、缶ビールを2本も飲めば簡単にそのカロリーを超えてしまう計算になる。
「お酒では太らない」の根拠は、お酒のカロリーが代謝の早いエンプティカロリーであるということ。エンプティカロリーは体内で優先的に消費されるため、脂肪にはなりにくい。そういう意味で、この説は半分ホントだ。
しかし、そのカロリーが消費されないうちは、一緒に摂ったおつまみなどのカロリーが脂肪に変わってしまうことになる。お酒のカロリーが多ければ多いほど、おつまみのカロリーも消費されづらくなるため、一概に「お酒のカロリーは無視できる」というわけでもないのだ。
4. 二日酔いにはハイチオールCが効く?
→ホント。
美肌などに効果のある、エスエス製薬の錠剤「ハイチオールCプラス」。店頭で確認してもらえれば分かると思うが、効能・効果の項目には「しみ」や「そばかす」と並んで「二日酔い」とはっきりと記載されている。
これは、ハイチオールCプラスに含まれる「L-システイン」という成分が、二日酔いの原因となるアルコールとアセトアルデヒドの分解を早めるため。お酒を飲む前と飲んだ後に2錠ずつ服用するのが、翌朝に不快感を残さないためのコツだ。
5. 二日酔いには迎え酒が効く?
→ウソ。
知っている人も多いと思うが、これは真っ赤なウソ。迎え酒で一時的に調子が良くなったと感じるのなら、それはアルコールによって感覚が麻痺しているだけのことで、数時間後にはさらにひどい不快感がやってくる。
二日酔いの不快感の主な原因は、体内でアルコールを分解する過程で大量に水分が消費されることにより陥る脱水症状。そのため、スポーツドリンクを飲んで水分補給したり、タウリンを多量に含むシジミの味噌汁などを飲んだりするのが効果的だ。
忘年会の後はお正月、新年会と、まだまだ続く宴会シーズン。正しい知識で楽しいお酒との付き合い方を。
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