検索
連載

「Nike+FuelBand SE」レビューまとめ “ウェアラブル”の理想のスタイルとは?(4)身体を張って検証しました

人気のNike+FuelBandを試し続けた2週間。実際に体重も2キロほどやせて、効果はあった。だがこのリストバンドを今後も使い続けるには1点問題がある。解決できるだろうか?

PC用表示 関連情報
advertisement

 2週間使い続けたリストバンド型活動量計「Nike+FuelBand SE」だが、知名度の高い人気ウェアラブルデバイスということもあり、満足度は高かった。8999円でダイエットができることを考えるとコストパフォーマンスも良い。だが日常的に使うには「バンドが太過ぎる」という問題がある。ウェアラブルデバイスの理想像を考えてみよう。


活動量、歩数、時間もチェックできるFuelBand。アプリも含めて使っている時の満足度は高い

アプリも含めて使いやすさは抜群 最初の1台にオススメ

 まずは2週間使い続けて感じた「Nike+FuelBand SE」のメリット&デメリットを挙げてみる。これまでにも触れてきたことだが、重要度を考えるとそれぞれ4点だ。

良い点

  • 情報量が多い
  • アプリが使いやすい
  • 電池が持つ
  • コストパフォーマンス良い

悪い点

  • バンドが太い
  • デスクワークで邪魔
  • 仕事中は着けられない
  • 着けるの忘れそう

 良い点を考えると、まず情報量の多さ。ガジェット好き、スポーツ好きなユーザーが既に使用レポートをWeb上に上げているので、使用感についてはいくらでも調べられる。さらに公式サイト、アプリは完璧と言える日本語対応。同梱の説明書が簡素過ぎるものの、これはWeb上から完全版のマニュアルをダウンロードすればOK。もちろんこれも日本語版だ。

 さらにアプリが使いやすい。活動量計なので「Nike+FuelBand SE」自体は操作、機能ともにとてもシンプル。とりあえずボタンを押して、腕に着けていればいい。これは他のリストバンド型ウェアラブルデバイスも同様で、大きなメリットとは言えない。

 だがアプリの完成度は各デバイスで大きく異なる。単なる日本語化だけでなく、見やすさ、メニューの分かりやすさ、操作のしやすさを考えると「Nike+FuelBand」アプリは初めて使う人に最適。

アプリの画面を見ると、文字が大きく、操作の手間もほとんどない。FuelBandと接続していればデータも自動的にアップされ、グラフも勝手に作られていく。楽ちん

 まあ、筆者のようにダイエットアプリをやたら使っていると、「食事の管理機能は加えてほしいなあ」と思うが、それくらいのもの。「Nike+FuelBand」は目標達成時のアニメーションも分かりやすく、機能を追加してごちゃごちゃするよりは断然良い。

 電池が持つことに関しては、PC接続でデータを送る際に充電され、結果的にいつまでも電池が持つことになるという側面が大きい。ただしPC接続なしでも5日程度は余裕で持つので、公式スペック以上の長持ち使用が可能だ。スマートウォッチとは違う活動量計タイプならではの利点だろう。

 それでいて8999円。これは手軽に「ウェアラブル」を始められる値段設定と言える。最初の1台としてオススメで、まさに王道の製品だと感じる。

バンドが太い、目立ち過ぎ、これって実はダイエットに致命的?

 一方で悪い点として「バンド部分が太い」を挙げた。あとの悪い点3つも、この影響。唯一の弱点と言ってもよい。

 バンド部分が太いので、袖口から出てくることがある。とくにワイシャツだとよく出てくる。腕に着けたままで周りに見られると、仕事中に目立つうえ、フォーマルの場には相応しくない。

 会議中に着けていたら怒られそうだし、商談の場では「本気で仕事のこと考えてるの?」「(あざとい)スポーツしてますアピールか?」と思われてしまうかもしれない。

 さらにバンドが太いことで、デスクワーク中に邪魔になることがある。勢いよくキーボードをタイプしているときは気にならないのだが、細かい作業や、神経を使う作業中は外したくなるのだ。


ワイシャツの袖口には一応入るものの、袖から出てくる、見えてしまうので、目立つのが難

 また筆者は晩秋にテストしているが、これが夏になったら? と思うとやはり目立つがゆえに鬱陶しいだろう。仕事中は外すことになり、FuelBandの出番は仕事の後、休日になる。

 すると日常的に活動量を計測するのが特長のウェアラブルデバイスであるのに、たまに使うだけとなる(最初は皆面白がって使うだろうが)。こういうデバイスはだんだんと忘れられ、運動量が減り、「ダイエット失敗」という未来が見えてくる……。

ウェアラブルデバイスは「隠れた」ほうがいい?

 まあ1年続かなくても、たった2週間続けて少しでもやせられるのなら十分という考え方もできるが、やはり可能な限り長く使いたい。

 するとウェアラブルデバイスにとても重要なことは、格好いいデザインではなく、むしろ逆。地味で、周りに存在を気取られないほど「目立たない」ことこそ大切かもしれない。

 というのも筆者は次回から「UP24」という、これまたウェアラブル界隈では有名なデバイスを取り上げるのだが、非常に目立たないデバイスなのだ。


(左)Nike+FuelBand。(右)次回から取り上げる「UP24」。UP24のほうが細く目立たない

 FuelBandと比べると、袖に完全に隠れるうえ、細いリストバンド型デバイスなので、見えても目立たない。だから仕事中もずっと着けていられる。日常的に(睡眠時間も含めて)活動量を計測することができる。とはいえ「UP24」は別の面で問題があったりするのだが……。

 FuelBandもいずれモデルチェンジするだろうし、今後バンド部分が細くスリムになるかもしれない。そうなれば本当の「買い」と言えそうだ。

 もっとも、現行モデルでたとえ「休日だけの利用」「いずれ使わなくなる」としても、「Nike+FuelBand SE」の価格を考えると金銭的に損するレベルではないと思う。

 これが何万円もするスマートウォッチだったら結局「時間しか見ない」→「だったら普通の腕時計買うわ!(怒)」となりがちだが、「Nike+FuelBand SE」ならスポーツをしたくなるはずだ(時計機能もあるけど)。ウェアラブルデバイスのデビューにFuelBandは最適、というのが結論だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る