自動で温まる靴下、濡れると分かるオムツ――「ウェアラブルEXPO」で見かけた気になるモノたち:写真たっぷりレポート(3/3 ページ)
東京ビッグサイトで行われた「第1回ウェアラブルEXPO」に出展されていたモノの中から、注目製品を写真たっぷりでお届けします。
睡眠時無呼吸症候群の診断に使えるシャツ
三ツ富士繊維工業のブースでは、ウェアラブルセンサー対応の導電性のミシン糸、およびウェアラブルセンサー搭載シャツの展示を行っていた。展示されていた糸は、銀メッキが施されており、布状のウェアラブルセンサーを衣類に取り付ける際に必要な導電性を確保できるという。
皮膚非接触型センサー搭載シャツは、睡眠時無呼吸症候群などの治療に際し、呼吸量を測定するのに使われるという。トランスミッターを内蔵しており、中に肌着を着ても測定が可能。非接触で睡眠時無呼吸症候群の診断が可能になるため、拘束性が軽減でき、被験者の負担が軽くなるとしている。
圧力分布や呼吸の測定ができる「センサー織物」
槌屋のブースでは、圧力センサー織物と、伸縮センサー織物の2種類を展示。いずれも伸縮量によって静電容量が変わるのがポイント。
圧力センサー織物は格子状の織物で、寝姿や足圧、座圧などの圧力分布が常時測定できるというもの。圧力センサー織物が敷かれたベッドに横になると、体圧分布が可視化できる。寝具の選定機として使えるのではないかとしている。
伸縮センサー織物は横に伸縮性をもつ織物。取り付けた衣類を着用することで、伸縮量により呼吸の深さや間隔、関節の動きなどが測定できる。肺や心疾患の治療に役立てられるとしている。
曲げやねじり動作で信号を発する「圧電ファブリック」
帝人では、炭素繊維とポリ乳酸繊維を用いた圧電ファブリックと、その応用例を展示。平織りタイプは曲げ、サテンはねじり、綾織りタイプは曲げやねじりに加え、ずれや3次元方向を感知することができるといい、割烹着を着た人形を動かすデモも行われていた。
これらのファブリックをまくらやシーツに用いることで、患者の動きを緻密にモニタリングできるといい、2〜3年以内には医療や介護の現場で役立てられるようにしたいとしていた。
笑い、会話状態、咳を検出し様子を見守れる「ワラッテル」
ネクストでは、遠方の高齢者の状態を把握できるウェアラブルデバイス「ワラッテル」を展示。胸元に装着してもらうことで、笑い、会話状態、咳の3つが測定でき、スマートフォンのアプリに通知するというもの。笑いは大きく笑うことで検出するという。加速度センサーを搭載しているため、動きの変化から、転倒等の事故や病気の早期発見につなげることも可能になる。現在サービス化を検討中とのこと。
「てんかん」の発作を事前に予測・通知
京都大学のブースでは、「リアルタイムてんかん発作兆候監視アルゴリズムおよび発作兆候監視装置」と、「心拍変動解析を用いたドライバの眠気検出の開発とそのスマートフォンのアプリへの実装」の仕組み、および試作された心拍センサーの展示が行われていた。
てんかんの発作が起こる前、心拍には3分から30秒の特徴的な変動パターンがあるという。そこで測定データを、Bluetoothでスマートフォンのアプリに転送し、あらかじめ自分で把握することで、事故を防げるようにすることを目的としている。発作時のデータではなく、平常時の心拍データから発作の兆候を検知できる点が特徴。ただし、医療行為にあたるため市販は厳しいとしていた。
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