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「寝る前にスマホは見るな」は本当か? ブルーライトを避けると眠りがどう変わるのか検証してみた眠りの達人への道

睡眠時間が5時間ほどの筆者。どうも熟睡ができていない。そこで一週間「寝る前にスマホを見ない」生活を行うことに。とりあえず睡眠時間は伸びてきたが……。

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 睡眠時間が短く、浅い眠りが多い筆者。睡眠計を使い状態を記録したことで、就寝・起床時間は規則正しくなったものの、熟睡はできていない。その原因で思い当たるのが、布団に入りながらよく見ている「スマホ」や「タブレット」。見ながら「寝落ち」してしまうこともある。

 睡眠にまつわるさまざまなうわさを検証していく本連載。今回の検証内容は、「布団に入ったら画面を見ないで寝てみる」ことだ。さて、一週間試してみた結果は?


筆者のいつものスマホ、タブレット。睡眠前には見るな! というのは想像以上にキツイ

今回試した熟睡のコツ

スマホやタブレットを就寝前に見ない


ブルーライトの影響で不眠になるなら「紙」を見る

 スマホ、タブレットを就寝前に見ない――そのようによく言われる理由は、スマホ、タブレットの画面からは「ブルーライト」という強い光が発せられているから。この話は誰もが聞いたことがあるだろう。

 一応眼科医らが世話人となっている「ブルーライト研究会」のサイトで確認してみると、ブルーライトは強いエネルギーを持っており、眼や身体に大きな負担をかけると言われているという。

 具体的な影響として網膜へのダメージ、目の疲れ、目の痛み、睡眠障害などが挙げられており、体内リズムを狂わせてしまうようだ。

 筆者など一日中PCかスマホかタブレットを見ているような生活だから、ブルーライトにさらされまくり。寝る直前まで見ていて、そのまま寝落ちもしばしばある。

 ただしそんな状況は自分でも気になっていたので、しばらく前から「30%ブルーライトカット」をウリにしたメガネをかけている。効果が出ているのかは分からないが。


スマホの画面を見ないかわりに本や地図を見る。写真は筆者が実際にこの一週間で読んでいたもの。漫画にハマると寝付きが悪くなってしまう。逆に眠くなりやすいのは「文字」の本だ

 ともかく一週間、布団に入ると「画面は見ない」ということを実行した。しかしこれが難しい。「画面を見ないだけなんて簡単」と思っていたが、布団に入ると落ち着かない。「画面を見たくなる」のだ。いつの間にか自分が完全にスマホ、タブレット中毒になっていることに気付く。

 そこで画面を見たい、という気持ちをごまかすため、「紙」を見ることにした。真面目な歴史書、趣味の本、漫画、ハイキングが好きなので地図と、徹底的に「紙」ばかり見る。これまではこれらも電子書籍やマップアプリなど、スマホやタブレットの画面で見ていたのだが、紙にすべて切り替えたのだ。

睡眠時間が平均6時間に伸びるも、新たな問題が……

 結果、オムロンの睡眠計「HSL-101」で計測し、スマホのアプリ「ねむり体内時計」で確認すると一週間で平均6時間5分の睡眠となった。前回普段の結果を計ったときには平均5時間47分だったので少し伸びている。

(左)普段の睡眠状況と(右)ブルーライトを避けたこの一週間の睡眠状況。濃い青色は布団に入ってから寝るまでの時間を示す。1時間以上眠らずに本を読んでしまった日も……。
同じく普段(左)と今回(右)との比較。起きる時間はだんだん遅くなってきたのを実感する

 前回との違いは、まず起きるのが遅くなった。これまで7時位に起きているのが8時前後になってきた。一方で寝つきが悪い。1月22日など寝るまでに1時間40分もかかっている。おそらく本を読んでいるうちに夢中になったと思われる。

 そのためアプリの診断によると前回は規則正しい「キリンさん」だったが、今回は時間が乱れ「ライオンさん」と診断された。アプリ曰く「就床、起床時間がバラバラ」「朝が遅い」「体内時計が乱れて時差ボケを起こしている」と、なんだか睡眠の内容は前回より悪くなっていないか……。

(左)アプリの「ねむり体内時計」は一週間計測すると睡眠のタイプを9種類から診断。快眠だと「羊タイプ」だが、筆者はルーズな「ライオン」タイプ。(右)睡眠時間は悪くないのだが、寝つきが悪い。7時に睡眠計のアラームが鳴るのだが、起きるのは8時に近いので「起床にかかった時間」の評価も悪い

 ただし「キリンさん」と診断されたときは「身を守っているかのよう」というまるで緊張しながら寝ているという診断だったので、今回はリラックスして寝ていたと言えそうだ。

 次回は興奮を押さえ、リラックス作用があると言われる「GABA(ギャバ)」を含んだ食材を一週間積極的に食べてその変化を見てみる。なお、GABAが睡眠に影響する範囲をできるだけ正確に知りたいので「寝る前のスマホ、タブレットの画面」については普段通り「見る」に戻す。果たしてどうなるだろうか?

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