汗をかくことは、体温調整を行うための重要な生理現象です。しかし1カ所だけ、できれば汗をかきたくない部位があります。ずばりそれは、ワキです! 特に、電車でつり革を持つ時など、ワキが気になる方は多いのではないでしょうか。
ちまたではさまざまなデオドラント商品が販売されていますが、効果が維持されず困っている人もいる反面、汗をかいてもまったく匂わない人もいるようです。世界はやはり不平等なのでしょうか? 遺伝子からは、人のワキの匂いは不平等だというメッセージが聞こえてきます。
臭くなくてもデオドラントを買っているかもしれない!
イギリスのブリストル大学の研究では、6495人の女性を研究対象として、ワキの臭いと遺伝子の関係を調査しました。その結果、2%(117人)の女性に、珍しい遺伝子が発見されたようです。それは、ABCC11という遺伝子で、この遺伝子に特定の変異がある場合、ワキが臭いことが判明しました。また今回の研究では、ワキが臭わない人でもおよそ78%の人がデオドラント製品を購入し、対策を講じていることが分かったようです。
自分の脇の臭いは耳でチェック!
本来は臭くないのに、みんなが買っているからなんとなくデオドラント製品を使っているという人は、簡単にチェックできる方法があります。ABCC11遺伝子はなんと、耳垢のタイプに関与しているのです。ワキが臭くない人は、耳垢がカサカサの乾燥したタイプが多く、耳垢をチェックすることはひとつの指標になると報告されています。
昔から、ワキの臭いは「フェロモン」として異性を惹きつけると言われています。このフェロモンが毛に伝わってニオイを発し、そのニオイに惹きつけられ異性がやってくるなんて話もある程です。その点から考えると、ワキが臭うタイプでも落ち込む必要はないのかもしれません!
<参考文献>
- Dependence of deodorant usage on ABCC11 genotype: scope for personalized genetics in personal hygiene.
- Mapping of the wet/dry earwax locus to the pericentromeric region of chromosome 16.
この記事は「遺伝子の?を!に変える」をコンセプトに、遺伝子に特化した国内外の情報を配信するサイト「Geno」から転載しています。
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