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季節によって体調が変化するのは遺伝子が原因だった?

季節によって体調が変わりやすいタイプの人がいます。なぜ、人によってこのような特徴が現れるのでしょう。

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Geno

 春はだるい、夏は元気、秋は風邪をひきやすいなど、季節によって体調が変わりやすいタイプの人がいます。なぜ、人によってこのような特徴が現れるのでしょう。一般的には、自律神経の乱れが原因と言われているようですが、どうやら遺伝子が関係しているかもしれません。

季節によって体調が変化するのは遺伝子が原因だった?

特定の感染症や慢性疾患のメカニズム解明につながる?

 先日ネイチャー誌に公開された論文によると、ヒトの遺伝子発現が季節によって変わることが明らかとなりました。遺伝子発現とは、遺伝情報が細胞の構造や機能に変換され、具体的に特徴として表れることです。

 遺伝子の発現は、時間による影響を受け、24時間周期で増減することは分かっていましたが、季節の影響を受けるかどうかは明らかとなっていませんでした。研究チームによれば、今回の発見は、特定の感染症や慢性疾患に季節的なパターンが見られることを解明する一助になるかもしれないとのことです。

北半球と南半球で違う?

 研究チームは、一般公開されている遺伝的データから、発現量に有意な季節差のある遺伝子は、遺伝子全体の約4分の1を占めていることを確認したようです。さらにヨーロッパの住民の場合、冬に炎症促進の傾向があり、心血管疾患や自己免疫疾患に関連するタンパク質の血中濃度が上昇したそうです。

 それに対して、西アフリカの住民の場合には、マラリアやそのほかの感染症の有病率が最も高い6〜10月に、季節に応じて変動するタイプの遺伝子発現が最大に達したことを確認しました。これは例えば、今まで一律に行われていたワクチン接種を最も効果的な時期に実施することを可能にしたり、原因不明の季節病を明らかにできるかもしれないようです。

 原因不明の季節病で悩んでいる人にとっては、うれしいニュースではないでしょうか。 今後の研究に期待したいですね!

<参考文献>

この記事は「遺伝子の?を!に変える」をコンセプトに、遺伝子に特化した国内外の情報を配信するサイト「Geno」から転載しています。


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