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Apple Watchを使うと、iPhoneを見る回数は本当に減るのか

Apple Watchを使うことで、iPhoneをわざわざ取り出す機会が減る――。そんな記事をいくつか見ましたが、本当にそうなのか、実際に検証してみました。

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Apple Watch and iPhone
Apple Watchと組み合わせることでiPhoneを使う回数は減るのでしょうか

 Apple Watchは、iPhoneと組み合わせて利用するコンパニオンデバイスです。これまでiPhoneでしかできなかった機能の一部を、腕に着けるデバイスでも実現することで、より便利にしたり、iPhoneだけではできなかったことを可能にしたりしています。これにより、iPhoneをバッグやポケットから出す回数が減る、といわれています。

 Apple Watchのレビュー記事を見ていたら、林信行さんも「わざわざポケットに手を伸ばしてiPhoneを取り出してくる必要が確実に減った」と書いていました。また松村太郎さんも連載記事の中で「iPhoneをのぞき込む時間が減る」と記述しています。

 Apple Watchを使うようになると、本当にiPhoneを見る回数は減るのでしょうか。個人的には、不要な通知を手元で見るだけでスルーできる半面、確実に通知を受け取れ、見落とす機会も減るので、むしろiPhoneを見る回数は増えるのではないか、と考えていました。

 そこで、以前紹介した、「いつ」「どこで」「一回当たり何分」スマホを見ているかを自動的にログ化してくれるアプリ「Moment」を使って、Apple Watch購入前と購入後で、どれくらいiPhoneの利用状況が変わるかを検証してみました。

Moment
Momentアプリでは、iPhoneの利用時間や立ち上げ回数を自動的に記録できます

Apple Watch購入前のPhoneの利用時間と回数

 私がApple Watchを手に入れたのは、4月24日でしたが、出社後に宅配便で届いたため、実際に使い始めたのは24日の深夜からでした。そこで、Apple Watch購入前の期間を3月30日から4月24日までの26日間、Apple Watch購入後の期間を4月25日から5月20日までの26日間と設定し、Momentのログを集計してみました。

 その結果、Apple Watch購入前のiPhoneの使用時間は1日平均146.7分、1日にiPhoneを持ち、ロック解除して画面を見た回数は1日平均39.2回でした。

Apple Watch購入後は、利用時間、回数ともに減少

 Apple Watch購入後、その数字がどうなったかというと……。減っていました。

 購入後は、iPhoneの使用時間は1日平均129.4分、iPhoneを立ち上げた回数は1日平均26.5回でした。特に立ち上げ回数が大きく減っています。

期間 iPhone使用時間 iPhone立ち上げ回数
Apple Watch購入前 146.7分/日 39.2回/日
Apple Watch購入後 129.4分/日 26.5回/日

 ただ、日々の数字の変化を見ていると、平日の使用時間はあまり変わっていないような印象を持っていたので、5月上旬のゴールデンウィークの影響を考え、平日と休日に分けて、改めて集計してみると、興味深い結果が出ました。

 平日だけで比べてみると、Apple Watch購入前のiPhone使用時間は1日平均158.8分、iPhoneを立ち上げた回数は1日平均43.9回でした。Apple Watch購入後は、iPhoneの使用時間は1日平均162.5分、立ち上げた回数は1日平均32.5回でした。使用時間はほとんど変わっていないのに、立ち上げ回数だけ減っています。平日は、主に通勤時間帯にiPhoneを使っているため、使用時間に大きな差は出なかったのかもしれません。ただ、立ち上げ回数が減っているのは、明らかに通知がApple Watchに来ているせいだと考えられます。また、これまで腕時計をしていなかったので、時間を確認するためだけにiPhoneの画面を点灯させることがありましたが、それがなくなったのも影響していると思います。

期間 平日のiPhone使用時間 平日のiPhone立ち上げ回数
Apple Watch購入前 158.8分/日 43.9回/日
Apple Watch購入後 162.5分/日 32.5回/日

 休日の場合、Apple Watch購入前のiPhone使用時間は1日平均111.9分、iPhoneを立ち上げた回数は1日平均25.8回でした。これがApple Watch購入後は、iPhoneの使用時間が1日平均90.8分、立ち上げた回数は1日平均19.5回になりました。平日よりも、休日のほうが使用時間、立ち上げ回数ともに影響が色濃く出ていることが分かります。

期間 休日のiPhone使用時間 休日のiPhone立ち上げ回数
Apple Watch購入前 111.9分/日 25.8回/日
Apple Watch購入後 90.8分/日 19.5回/日

オフタイムの“リアル”をより充実させられる?

 この結果から推測できるのは、Apple Watchの効能は、オンタイムよりオフタイムにより強く現れる、ということ。もちろん使う人の環境によって変わるはずですが、私の場合は休日にiPhoneを見たり、立ち上げたりする時間が大きく減るという結果になりました。

 スマートウオッチを使うことで、オフタイムに、必要以上にスマートフォンを見なくなる――。この考え方は、以前紹介した「VELDT SERENDIPITY」にも通じるものがあると感じます。

 減った時間と回数の分は、単にiPhoneではなくApple Watchを見ているだけかもしれません。ただ、Apple Watchは長時間画面を凝視するようなデバイスではありませんし、自分の中では大きな変化と感じました。

 もともと「iPhone 6 Plus」を購入したときに、いずれApple Watchと一緒に使うことになるから、とあえて大きいモデルを選んだのですが、正解だったと思っています。Apple Watchは、オフタイムの“リアル“と向き合う時間をより多く作ってくれるデバイスと言えそうです。

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