私たちの肌を悩ますものといえば、ニキビでしょう。チョコを食べすぎた、お酒を飲みすぎた、寝不足が続いた、生理前など、私たちの生活が少し変化するだけで彼らは現れます。ニキビの原因はいくつかありますが、その1つにアクネ菌があります。
アクネ菌はなぜニキビの原因になる?
アクネ菌は、常在菌という私たちの身体に住み着く菌の1つで、全ての人の皮膚に住み着いています。アクネ菌は、脂肪分が多い場所を好む習性を持つため、皮脂が溜まり角栓でふさがれた毛穴の中に入り込みます。毛穴の中に入り込んだアクネ菌は、脂質を分解して毒性のある過酸化脂質を生み出し、その結果ニキビを引き起こすのです。
ブドウの中にもアクネ菌がいた?
イタリアの研究チームは、ブドウのDNA解析を行う中で、ブドウの細胞内にはアクネ菌が存在していることを確認しました。今回の発見は、ヒトの病原細菌が別の生物界の宿主に寄生するようになったことを確認した初めての症例のようです。研究チームはいくつかのブドウの木から採取した細菌DNAを解析した結果、およそ7,000年前にアクネ菌がヒトの手からブドウの木に生物間移動をしたと考えているようです。これは、人間がブドウを栽培し始めた時期とおおよそ一致するようです。
ブドウの種子には、アクネ菌が好む脂肪酸が含まれる為、このことがアクネ菌がブドウに住み着くようになった理由の1つと考えられるようです。更に、ブドウの木から発見されたアクネ菌は、ブドウの細胞の中でしか生きられない細胞内共生細菌として存在していたことが分かっており、ヒトの手から移動したアクネ菌が、ブドウに適応した形へと変化していったことで、私たちはブドウの栽培化に成功した可能性があるようです。
私たちが今、ブドウを食べられるのはアクネ菌のおかげかもしれないですね!
<参考文献>
この記事は「遺伝子の?を!に変える」をコンセプトに、遺伝子に特化した国内外の情報を配信するサイト「Geno」から転載しています。
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