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仕事へのストレスは「出社方法」で解消――日本エクストリーム出社協会・天谷窓大さん(2/3 ページ)

各界で活躍し「周りが放っておかない人」に生活習慣や健康のコツを聞く本連載。今回登場していただいたのは、型破りな遊び方で注目を集めた「日本エクストリーム出社協会」の天谷窓大さんです。

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遅刻できない、体調を崩せない宿命

――「遅刻しない」が唯一のルールだそうですが。

 エクストリーム出社において遅刻したことは、1度もありません。これまで100回以上やってきましたが、いまだ事故ゼロです。もはや、自分のことを「出社」という競技におけるアスリートだと思っています。

 事故を防ぐため、電車の遅延事故の可能性を考慮して複数ルートを確保しておきます。言い出しっぺがが遅刻したら、格好がつかないですからね。まあ、静岡駅に行ったときは新幹線しか手段がなかったので、イチかバチかでしたけど(笑)。

 あとは、もしも体調を崩したら、エクストリーム出社が直接の原因でなくても「そのせいか?」と連想されてしまうので、体調管理には気を付けています。僕は寝ないと調子が出ないタイプなので、最低でも5時間、できれば8時間寝ます。休日は昼まで寝たりすることもあります。

 エクストリーム出社をする前の晩は23時までには床につき、4時に起床。5時の始発に乗る段取りですね。枕の下に外付けのバイブレーターを挿入するタイプの強力目覚ましを使っていて、時間になると「ブゥゥゥゥン!」って勢いよく揺れて、強制的に目を覚ましてくれます。

――最近の活動状況はいかがでしょう。

 今も週1〜2回のペースでやっています。オススメは週の中日の水曜日。心がリセットされて、木金を乗り切るパワーになります。日本エクストリーム出社協会や僕個人のソーシャルアカウントで呼びかけて参加者を募るんですけど、この活動をするようになって友達がすごく増えました。普段生活していたら会えない人に出会えるのはウレシイですね。

 今週は軽めで、近所の築地で朝ごはんを食べてきました。その前は赤羽近くの荒川河川敷でバーベキューをしましたね。始発で築地に行き、海鮮類を仕入れてから向かって、海鮮焼きそばを作りました。制限時間1時間なので超特急BBQでした。「ハイッ、麺入れて! 野菜はスタンバってて!」ってレンジャー気分で段取りしましたね。朝なので、ノンアルコールビールで乾杯して出社しました。


早朝バーベキューからの出社

絶叫マシンに乗ってから出社

趣味が会社の事業に

――現在はお勤めの会社の一事業として活動されているんですね。

 今でこそそうなりましたけど、当初は会社にナイショでやってました。わざわざ伝えることでもないですしね。ですから、メディアからの取材申し込みがケータイに来ると、お腹が痛いフリしてトイレに駆け込んでヒソヒソ話で対応したものです。「天谷のやつ、トイレが長いぞ。大丈夫か」と心配されたこともありました(笑)。

 とうとうアエラに掲載されて、社長に「これ、キミだよな?」って訊かれて会社にバレました。「絶対、本業に迷惑はかけません」と約束して、個人活動を認めてもらいました。理解のある社長でよかったです。

 それからしばらくして、エクストリーム出社のタイアップの引き合いが舞い込むようになりました。勤務先がテレビ番組やイベントの企画制作会社だったので、親和性が高かったのも追い風でした。さらには社長が「ウチにこんな面白い社員がいるんですよ」と積極的にPRしてくれたんです。

 エクストリーム出社の活動が忙しくなりすぎた頃、「会社の事業としてやるか、フリーで続けるか」の決断を迫られました。すごく悩みましたが、「新しいイベントのフォーマットに育てたい!」と思って、事業化をお願いして今に至ります。

――天谷さんって、そもそも今会社ではどんなお仕事をされているんでしょう?

 今はTV番組やイベント企画が中心。アイデアのネタ出しは大好きです。でも、もともとはエンジニアだったんですよ。


プロレスリングからの出社

 副代表のしーなさんと僕は見た目も性格も思考もすべていい意味で異なっているので、互いに補い合えるんです。彼は思考の深い人で、僕は落ち着きがなく、考える前に行動したり、さっさと人と会ってしまうタイプ。スターウォーズのR2D2とC3POのようなものです(笑)。見た目的にも似ているでしょう? 砂浜の写真もそれを意識しているんですよ。

 もともと、伊集院光さんのTBSのラジオ番組『深夜の馬鹿力』が大好きでずっと聴いていました。何年か前は荒唐無稽なチャレンジ企画を番組内でしていて、それを聴きながら「アイデア次第で、日常生活ってこんなにも楽しむことができるんだ」って感心していました。マンガの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』も好きで、両さんが非常識な発明を思い付くたびに、発想力とディテールに心酔していました。

 その頃の体験が、大人になってからも「面白いこと考えるぞ、身体を張って証明するぞ」という原動力になっている気がします。

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