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一度眠ってしまうと生命の危機が! 「オンディーヌの呪い」って?

睡眠中に呼吸が止まり、死の危険にさらされるという病気の別名「オンディーヌの呪い」。この病気の概要と呼称の由来、そして同じく呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」についても合わせてご紹介します。

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 眠ってしまうと呼吸が止まって死に至る…。まるで本当に呪いにかけられたかのような、嘘のようなお話ですが、実際にこのような病気が存在するのです。

 よく知られている「睡眠時無呼吸症候群」とは異なるこの病気。どのような特徴があるのでしょうか。

オンディーヌの呪い

今、注目されている「オンディーヌの呪い」とは?

 「オンディーヌの呪い」という奇妙な呼び名がつけられているこの病気は、正式には「肺胞低換気症候群」という病名で、原因は先天性のものから、術後に発症するものまでさまざまですが、典型的な症状は共通しています。それは、起きている間は普通に呼吸ができるものの、眠ると呼吸が停止するというものです。

 今、メタボのリスクのある人に注意喚起されている「睡眠時無呼吸症候群」も、寝ている間に呼吸が止まるリスクのある病気ですが、これとは基本的に異なる病気です。

オンディーヌの伝説

 この「オンディーヌの呪い」という名は、ドイツに古くから伝わる水の精霊オンディーヌの伝説からつけられています。諸説ありますが、基本的にはオンディーヌがハンスという人間の騎士と禁断の恋に落ちたものの、結局はハンスに裏切られてしまい、「裏切られた場合には相手を殺す」という精霊界との約束を果たすために、ハンスへ呪いをかけるという物語です。

 その呪いは、「意識しなくてもできることが、意識しないとできなくなる」もしくは「一度でも眠ると息が止まる」というもの。当然、眠らずにはいられない人間ですから、眠気に耐えられず眠ってしまったハンスはそのまま死に至ったという伝説です。

 このオンディーヌがかけた呪いのように、一度眠ってしまうと二度と目を覚まさない可能性があることから、「肺胞低換気症候群」にはこのような通称がつけられたようです。

肥満者は注意が必要

 「オンディーヌの呪い」は基本的に先天性の「中枢性肺胞低換気症候群」のことを指します。これは、先天的に脳幹部の自律神経中枢に異常がある病気です。

 しかし、この「肺胞低換気症候群」の中には、肥満からくるものもあるといわれており、気道の上部が閉塞することで呼吸困難になることがあるのだそう。また、同じく眠っている間に呼吸が何度も止まる「睡眠時無呼吸症候群」については、多くの人にリスクがあります。国立循環器病研究センターによれば、年間500人の検査を受けた人のうち、約80%がこの病気のリスクがあるとされています。

 判断基準は、前兆といわれる過度な「いびき」や、昼間の眠気。心当たりがある方は、もしかしたらすでに「オンディーヌの呪い」にかけられているかもしれません。一度検査を受けてみるのをおすすめします。

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