検索
コラム

呼吸が止まってしまうのはなぜ? 睡眠時無呼吸症候群のナゾ

肥満の人に発症リスクが高いといわれる「睡眠時無呼吸症候群」。眠っている間、何度も無呼吸状態が訪れる病気です。その呼吸が止まるメカニズムに迫ります。

advertisement
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 眠っている間、1時間に5回以上、1回に10秒以上呼吸が停止するという「睡眠時無呼吸症候群」。その前兆として「いびきがうるさい」「肥満ぎみ」「夜眠っているのに、昼間に異常な眠気がくる」があることで知られています。そもそもなぜ眠っている間に呼吸が止まるのでしょうか?

呼吸が止まってしまうのはなぜ? 睡眠時無呼吸症候群のナゾ

睡眠時無呼吸症候群で呼吸が止まる2つの理由

 睡眠時無呼吸症候群には、大きく分けて 「閉塞性」「中枢性」の2種類があり、それぞれ呼吸の止まり方は異なります。

 閉塞性は、呼吸そのものは正常であるものの、上気道のどこかが閉塞することによって、鼻や口の呼吸が滞るものです。

 中枢性は、呼吸中枢の機能異常によって、睡眠中、呼吸する筋肉への刺激が失われ、呼吸運動そのものが停止するものです。

 つまり、上気道が塞がれるか、脳がそもそも呼吸する指令を出さなくなるかのどちらかが原因というわけです。ただし、中枢性は睡眠時無呼吸症候群の中でも、非常に少ない割合の発症率といわれているので、ほとんどの場合は、閉塞性と考えていいでしょう。

呼吸が止まるメカニズム

 では、もう少し詳しく呼吸が止まるメカニズムを見てみましょう。

 閉塞性の場合、仰向けで寝たときに、重力で舌がのどの奥のほうに落ちて気道が塞がれることが原因です。特に肥満の人で首に脂肪が多い場合は、舌が落ち込んだときに気道がせまくなりやすいため、発症しやすいといわれています。また、気道がもともと狭い人も起きやすいのだそうです。

 また、お酒を飲むと一時的に筋肉がゆるむため、気道を支える筋肉もゆるくなることで、気道が狭くなりやすいこともあるといわれています。

 中枢性の場合は、脳の呼吸を司る部分の機能異常が原因ですが、まだ解明はされていません。

呼吸が止まっても死なないの?

 寝ている間に呼吸が止まると、脳が酸欠状態になり覚醒するため、自然と目が覚めます。ただし、呼吸が止まっている間は、血圧が上がり、変動しやすいため、心筋梗塞や脳卒中などで突然死に至るリスクがあるといわれています。

 また、睡眠時無呼吸症候群に陥ると、不眠状態に陥るため、昼間に異常な眠気が起きることで、仕事中の居眠りや不意の操作ミスなどが重大な事故につながる可能性もあります。場合によっては交通事故や産業事故に発展するケースも。直接的ではないものの、死のリスクがないとは言い切れず、軽視はできない病気です。

 昼間の眠気やいびき、肥満など、少しでも思い当たる節がある方は、一度医師に診てもらうのをおすすめします。

関連キーワード

睡眠 | 肥満 | 原因 | 病気 | 生活習慣病


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る