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コラム

「体育会系はお酒に強い」には科学的根拠があった!

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 「体育会系はお酒が強い」もちろん弱い人もいますが、一般的なイメージとして体育会系の人はお酒に強いといわれますよね。実はこれには科学的な根拠があったのです。

アルコールはどうやって分解されるの?

 まずはアルコール分解のメカニズムについて理解しておきましょう。アルコールは体内に取り入れられると、最初に胃で20%が吸収され、残りの80%が腸で吸収されます。その後アルコールは血管に入り、肝臓に到達するとアルコール脱水素酵素と呼ばれる酵素などの働きによって分解されます。この過程でアルコールは酢酸という物質へと姿を変え、さらに筋肉や心臓などで分解され、最後には水と炭酸ガスになり、体外に排出されます。

 これが大ざっぱなアルコールの分解のメカニズム。ですが、これと体育会系・文化系にはどんなつながりがあるのでしょうか?

運動している人はどうしてお酒に強いのか?

 厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、血液中のアルコール濃度は肝臓を通過するとぐっと下がることから、お酒が強いか弱いかの大部分は「肝臓の大きさ」が決めるとしています。だから女性よりも男性、小柄な人よりも大柄な人の方がお酒が強くなる、というわけ。

 さらにこの肝臓を通過したアルコールは、身体中に浸透していきます。このときに鍵を握るのが「筋肉量」。先ほども書いたように、アルコールは筋肉や心臓でも分解が行われます。つまり普段運動をして、筋肉量を増やしている人ほどアルコール分解能力が高くなるのです。肝臓の大きさがお酒への耐性を大きく決定付けるとはいえ、あながち「体育会系はお酒が強い」というイメージも間違ってはいないようです。

だからといって「運動後の一杯」はNG!

 こう考えると「筋肉をつければ今よりお酒が強くなる」といえるわけですが、運動後につきものなのが「ご褒美のビール」=アルコール。この「運動後の一杯」は全くの逆効果を生んでしまいます。

 米ノートルダム大学の「Your Body and Alcohol」のページでは、アルコールの摂取によるデメリットの1つに筋肉の回復の阻害を挙げています。これはオーストラリアの研究者を中心とするチームの2014年の論文でも明らかになっています。実験によって運動後のアルコール摂取によって筋肉を回復するためのタンパク質合成に悪影響を及ぼしたことが明らかになったのです。

 つまりはせっかく筋肉をつけようとトレーニングをしても、「ご褒美のビール」で結局もとのもくあみというわけ。筋肉量を増加させてお酒に強くなりたいのなら、淡々とトレーニングをするのが一番なのです。

<参考リンク>

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