「あおむけ派? 横向き派? それともうつ伏せ派?」そんな質問をされたら、あなたはどう答えるでしょうか。寝るときの姿勢(寝姿勢)は人それぞれに好みやクセがあるものの、それが「睡眠の質」に関わることはあまり知られていません。普段からなんとなく寝つきが悪い、起床後も寝た気がしない、夜中頻繁に目が覚めてしまう、など不眠の兆候を感じている方はいませんか?
そこで、睡眠障害になりやすい寝姿勢とぐっすり眠れる正しい寝姿勢を探っていきます。
猫背は睡眠障害になりやすい?
一般的に、人間が最も眠りやすい姿勢は身体のどこにも負担がかかっていない状態です。当然、身体のどこかに大きな力が加わった不安定な状態では、眠りにくいものです。
よって、猫背のような身体に負担がかかる姿勢で寝ると、眠りにくくなります。猫背は、背中が丸まり、お腹部分が圧迫され、内臓の位置がずれるなど身体にとって大きな負担がかかる姿勢です。よって、猫背は睡眠障害になりやすいということが言えるのです。
姿勢と睡眠の関係って?
では、なぜ身体に負担がかかると眠りにくくなるのでしょうか? 睡眠障害そのものは、ストレスやライフスタイルによる自律神経の障害、または身体のコリが原因となる場合が多いといわれています。どちらも神経や身体が緊張している状態。つまり、裏を返せば、人間は“緊張が緩んだ状態”が最も快適に眠りやすいのです。
実際、身体を緊張させたまま寝るのと、ストレッチやマッサージをした後に寝るのとでは、ぐっすり感に違いが出るといわれています。つまり、姿勢についていえば、どこにも力がかからない、より緩んだ状態が最も眠りやすいといえるのです。
睡眠時の正しい姿勢とは?
余分な力が、骨格と筋肉のどこにもかからない状態。それが、質の良い睡眠を得るための基本です。コツは背骨を真っすぐに保ち、首と腰にできるだけ負担をかけないこと。
正しい姿勢を作るには、起きているときの座り姿勢や立ち姿勢、歩き姿勢など全ての姿勢を正すことから始めると良いでしょう。姿勢はくせになりやすいものなので、睡眠中は無意識に普段くせとなっている姿勢を取ってしまうもの。普段猫背の人は、日中に猫背を正す方向で意識をしていれば、寝ているときも猫背になりにくいでしょう。
最も身体に負担をかけない寝姿勢は、立っているときと同じあおむけの姿勢。布団と枕に、頭・背中・お尻・かかとがついている状態がベストです。腰痛持ちの人は、横向きが楽ですが、骨盤がゆがむこともあるといわれています。防止するためには、膝と膝の間に座布団などを挟むのをおすすめします。うつ伏せ寝は腰に負担をかけるためあまり推奨されていませんが、片膝を曲げて横に出してバランスを取ることで、腰への負担は軽減されます。
最も負担のかからない寝姿勢を習慣化して、ぐっすり快適な眠りを目指しましょう!
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