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「ひと駅前で降りて歩く」が続かない理由――予防医学研究者・石川善樹さん<前編>(1/3 ページ)

話を聞いてみたいあの人に、生活習慣や健康のコツを聞く本連載。今回ご登場いただくのは、予防医学研究者の石川善樹さんです。

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 どんな世界にも「周りが放っておかない人」がいるものです。周囲を巻き込む能力が高く、常に幾つもの仕事を抱えていて、それでも忙しそうな素振りは見せずに遊びにも全力で取り組んでいるように見える人たち。本連載では、そんな「引っ張りだこな人々」に、普段の生活習慣や健康のために意識していること、毎日を自分のペースで過ごしていくコツについてお聞きしていきます。

 今回お話を伺ったのは、今年6月に書籍『最後のダイエット』を上梓した予防医学研究者・医学博士の石川善樹さん。印象的なこの書名は、何度痩せてもすぐにリバウンドしてしまうという人に向けて、「リバウンド人生に終止符を打つ、ダイエット法の決定版」という意味が込められています。

 石川さん、ダイエット時にやりがちな「ひと駅前で降りて歩く」という習慣が続かない理由って、一体何でしょう?


石川善樹さん。東京大学医学部を経て、米ハーバード大学で予防医学を学んだ経歴を持つ

トイレで「他人が手を洗うか」を観察

――予防医学の専門家の方には初めてお会いしました。普段から、衛生面にも厳しく気を使われているのでしょうね。

 非常に基本的なことですけど、人よりもよく手は洗いますね。世の中の人を見ていて思うのは、トイレに行っても手を洗わない人が多すぎること。せっけんを使わず、水で手を濡らすだけって人、目立ちません? ひどい人になると、指先数センチを濡らすだけ。本来はせっけんで爪の間も、手首もしっかり洗うべきです。というのは、その心掛けだけで、風邪をひく可能性がグッと抑えられるからです。

――指先数センチを濡らす“アリバイ手洗い”はけっこう見ますね。

 私は人と一緒にトイレに行くと、その方が手を洗うかどうかついチェックする癖があります(笑)。偉大なビジネスマンは漏れなく手を洗っていらっしゃいますよ。大企業のトップの方と一緒に用を足したとき観察していると、やはり皆さん漏れなく念入りに洗っています。余談ですが、ゴールドマン・サックス社内には、「手を洗え」って標語があるらしいですよ。

――日本人が手を洗わないのは、どうしてなんでしょう?

 きっと、日本という世の中が清潔になったからでしょう。衛生面のインフラ施設の向上自体は素晴らしいことですが、代わりに衛生観念が希薄になってしまっているのだと思います。

――トイレで人が手を洗うかどうかを観察するって、ユニークな着眼点ですね。

 トイレでの行動観察はあくまで一例でして、世の中のあらゆる人々の行動を観察するのが癖なんです。先日、生まれて初めてTV出演(ネプリーグ)させていただいて、ネプチューンの方々とお会いしたんです。収録途中の休憩時、「原田泰造さんは洗う方なのかな?」と思ってトイレをご一緒したんですが……洗わずに出られてしまいました。それを本番中に指摘したら、ホリケンさんがすかさず「泰造のあそこはキレイなんだよっ!」ってフォローされて、さすがプロの返しは違うな! と感心しましたね(笑)。

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