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コラム

活字中毒者大勝利?読書が健康に良いことが研究で明らかに

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 「活字中毒」なんていわれて、あたかも不健康かのように扱われる本の虫の人に朗報です。実は読書が健康にとっても良いことが科学的に証明されているんです。

活字中毒者大勝利?読書が健康に良いことが研究で明らかに

読書は人生を楽しくする科学的な根拠

 「読書は人生を楽しくする」――これは読書をしない人には分からない、読書の大きな効能です。サセックス大学の研究チームが2009年に発表した「Galaxy Stress Research」によると、読書はウォーキングの3倍、テレビゲームの7倍、ストレス解消に役立つのだそうです。

 また同じ調査では、たった6分間の読書がストレスレベルを60%も軽減することも分かっています。これは心拍数を落ち着け、筋肉をほぐし、体全体をリラックスさせることによるのだとか。ストレス社会と呼ばれる現代日本において、ストレスを軽減することはそのまま人生を楽しく生きることになるはず。読書は「科学的に」人生を楽しくする、というわけです。

読書が脳を強くする科学的な根拠

 「本を読むと頭が良くなる」とは良くいわれることですが、これも科学的に証明されています。例えば2013年に米国誌『Brain Connectivity』に掲載された論文では、小説を読むことで脳が刺激され、「論理的な考え方」の発達を促すことがfMRIを用いた実験によって明らかになりました。

 さらに脳科学が専門の東北大学教授・川島隆太氏は、ある地域の高齢者に毎週1日10分から15分間の音読と計算を半年間続けてもらうという実験を実施。するとコミュニケーション能力や意思決定、モチベーションなどをつかさどる「前頭前野」という部分の働きが良くなったのです。同氏は読書と脳の関係についてさらなる研究を進めています。

言語能力を鍛えて成功しよう!

 『脳を創る読書』を書いた脳生理学者の酒井邦嘉氏は「活字は脳で音に変換されて、言語野へと送られる」と言います。言うまでもなく私たちが日常生活していく上で、言葉はとても重要なコミュニケーションツールです。語彙力はもちろんですが、どんな場面でどんな言葉を発するかも重要。ビジネスはもちろん恋愛などでも言語能力のレベルは結果を大きく左右します。言語野を鍛えることのできる読書は、人生を成功させるための鍵でもあるのです。

 もちろん家に引きこもって本ばかり読んでいるだけでは、健康に良くありません。場合によっては逆にストレスがたまって、脳にも悪影響を及ぼすでしょう。しかし、同時に読書は科学的に確かに健康的なアクティビティーなのです。ぜひこれからも大手を振って「活字中毒」を誇ろうではありませんか!

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