布団に入ってもしばらく眠れない、もしくはぐっすり眠れない。そんな睡眠にまつわる悩みがある人にとって興味深いのが、眠りを誘う食材。最近は知名度の上がってきた「トリプトファン」を含むものや、眠気誘発効果のある食べ物の香りなどをご紹介します。
眠りを誘う成分「トリプトファン」とは?
最近は、睡眠の質を良くするための方法が各所で話題になっていますが、眠りにいい影響を及ぼす「トリプトファン」というキーワードを耳にすることも多いのではないでしょうか。トリプトファンは眠りを促進する必須アミノ酸で、体内に取り込まれるとセロトニンに変化します。その後、入眠作用や睡眠維持作用があるホルモン「メラトニン」になります。トリプトファンは、それらの原料になる大切な成分です。
グラタンやリゾット、バナナヨーグルトなどでぐっすり眠れる?
不眠や浅い眠りに悩んでいる人にとって、メラトニンはぜひ増やしたいもの。原料となるトリプトファンを体内に取り込むことで、メラトニン量を増やすことができるといわれています。
トリプトファンが多く含まれるのは、乳製品(牛乳・チーズなど)、卵、大豆製品(納豆・豆腐など)、バナナ、魚介類、米など。よって、チーズグラタンや大豆グラタン、バナナヨーグルト、バナナ豆乳スムージーなどがトリプトファンの多く含まれる料理例です。
しかし、甲南大学の前田准教授によれば、トリプトファンは他のアミノ酸が混在すると脳内に運ばれにくくなることから、肉や魚などと一緒に大量に食べるのは良くないのだそう。
また、トリプトファンの多い食材を食べても睡眠時間が延びなかった実験結果も出ています。トリプトファンの効果を得るには、効率的かつ継続的に摂取する必要があるのかもしれません。
他にも神経を鎮静する効果のあるマグネシウムの豊富な豆腐、ナッツ、煮干しや、体内時計を整える働きのあるビタミンB12の豊富なしじみやレバー、海苔なども、睡眠に役立つ食材といわれています。
香りでも眠気はやってくる!
食事は即効性がなさそうと思う人は、ぜひ食べ物の香りで眠気を引き出す方法から試してみましょう。睡眠専門医の坪田聡氏によれば、コーヒーの香りは脳内でα波が出るという実験結果があり、リラックス効果が見込めるのだそう。また、玉ねぎの辛み成分「硫化アリル」にも眠気を誘う効果があるそうです。
眠れない夜は、枕元にコーヒーの豆やカス、玉ねぎの輪切りなどを置いてみましょう。
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