自閉症の青年の心を、iPadが声にする――Appleが自閉症受容月間に合わせ映像を公開
自閉症は、早期に診断して対処をしていくと、知能指数や社会性が向上する可能性がある、という研究の結果があるそうです。ResearchKitを通じて、デューク大学とケープタウン大学が取り組む臨床研究で、自閉症患者の生活が変わった様子が映像で確認できます。
「自閉症」について、よく知っているという人はそれほど多くはないのではないでしょうか。
自閉症は、先天的な原因から、対人関係の特異性やコミュニケーションの質的障害、イマジネーションの質的障害といった特徴が現れる障害です。先天的な脳機能の違いが原因のため、成長の過程で後天的になるものではありません。重度の知的障害を合併している人もいるため、「コミュニケーションを取るのが難しい」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実は知的な障害がほとんどない人や、知能指数(IQ)が通常より高い人などもいます。ひとくくりに“障害のある人”“コミュニケーションがうまく取れない人”と捉えてしまうのは誤解です。
そんな自閉症のことをもっと知ってもらおうと、4月の自閉症受容月間(Autism Acceptance Month)に合わせて、Appleが「ディランを紹介します。」という動画を公開しました。
また、YouTubeには、合わせてディランさんを支えてきた家族やセラピストへのインタビューも公開されています。
Appleは、臨床研究に役立てるオープンソースのソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」の提供を通じて、さまざまな障害や病気の研究を促進しています。自閉症であることが早期に診断でき、対処をしていくと、知能指数や社会性が向上する可能性があり、今まで難しかったコミュニケーションを取ることなども可能になったりするようです。映像では、デューク大学とケープタウン大学が「Autism & Beyond」というアプリを使って進めている自閉症の研究の成果で、ディラン・バルマシュさんの生活がどう変わったかを紹介しています。
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