集中力が高められる? JINS MEMEアプリ「OFFICE」「ZEN」「WALK」が登場(1/2 ページ)
目の動きや頭の動きを計測することでさまざまなデータが取れるセンシングアイウェア「JINS MEME」を活用する最新アプリが新たに3本発表されました。今回は集中力にフォーカスしたアプリになっています。
ジェイアイエヌが4月13日、センシングアイウェア「JINS MEME」に対応した新しいiOSアプリの配信を開始しました。
JINS MEMEは、眉間と鼻の左右に用意された3点の眼電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーを搭載したメガネ型のウェアラブルデバイスです。体の動きや目の動きを検出でき、対応アプリと組み合わせることで、姿勢や疲労度などの測定もできてしまうという、ユニークなメガネ。
製品の発売と同時に、目の動きなどを可視化する「JINS MEME」、運転中のドライバーの眠気を検知して警告を発してくれる「DRIVE」、ランニング時の重心の位置、体幹のブレなどを可視化する「RUN」といったアプリをリリースし、その後「TAIKAN」の提供しています。
この度、新たに集中力をリアルタイムに可視化する「OFFICE」、気軽に集中力を鍛えられる「ZEN」、そして日常のウォーキングの質を可視化する「WALK」の3つのアプリを開発し、提供を開始しています。
集中を可視化し、集中力を鍛えるアプリ
それぞれ特徴があるアプリで、自分の集中の状態を分析したり、集中力を高めるトレーニングを提供したりすることによって、集中力が高くなる状態を作りやすくし、生産性の向上などが図れるといいます。
JINS MEME OFFICEで集中状態の深さと継続時間を表示
JINS MEME OFFICEは、JINS MEMEで計測したデータから、自信の集中状態の深さと継続時間を表示します。計測後は、作業中の集中力を得点で表示。さらに集中力を高めるためのアドバイスもしてくれます。なかなか可視化するのが難しかった集中の傾向や課題を知ることができ、生産性やパフォーマンスの向上をサポートするといいます。
JINS MEMEをかけて、アプリを立ち上げ、「集中したい時間」を5分単位で設定し、スタートすると、その時間内の集中度を判定してくれます。実際に集中していた時間がどれくらいあるのかが分かります。
JINS MEME ZENで集中力を鍛える
JINS MEME ZENでは、集中力をより高めることができます。トレーニングの成果は点数で表示されるので、自信の集中状態の特徴から、傾向の判断が可能。集中力だけでなく、創造力など、能力別に鍛えたいトレーニングを選んで利用できます。
アプリを立ち上げると、画面の中央に小さな円が表示されます。音声ガイダンスを聞きながら、徐々に小さくなっていく円を半目を開けて見ながら瞑想をすることで、集中力を鍛えられます。
JINS MEME WALKで歩行時のフォームを知る
JINS MEME WALKを利用すると、歩いているときの体の動きから、歩行の質を可視化できます。フォーム、スピード、歩幅(ストライド)などを計測し、100点満点で判定。改善点も知らせてくれます。
まだアプリはダウンロードできないようですが、JINS MEMEをかけた状態で歩くときに活用できます。RUNと比べると、より扱いやすいアプリと言えそうです。
JINS MEMEが集中力を可視化する仕組みとは
発表に合わせて開催された説明会では、ジェイアイエヌのJINS MEME開発担当、井上一鷹氏から、JINS MEMEで集中力を可視化する仕組みが解説されました。
JINS MEMEでは、前述のとおり3点の眼電位センサーにより、目の動きやまばたきの回数などが検出できます。このまばたきの頻度と、まばたきの強さ、そして体の安定性から、人が集中状態にあるかどうかを判定しているといいます。
「目は心の窓といわれることからも分かるとおり、まばたきはさまざまな脳活動を反映している」と井上氏。集中するとまばたきが減少することに着目し、まばたきの回数が減ると集中が深いと定義しているというわけです。さらに、まばたきには強度があり、その強度が安定していると、集中が持続していると判断します。つまり、まばたきの回数が少なく、1回のまばたきの際の強さが一定レベルだと、集中しているとみなします。
JINS MEMEをかけた被験者にテトリスをプレイしてもらい、ゲームオーバーまでの経緯を計測したところ、ゲーム序盤は追い込まれていないのでまばたきが多いが、ブロックが積み上がって追い込まれてくると、まばたきの数が劇的に減る、という検証結果が出たといいます。高い負荷がかかっていると、まばたきの階数が減るわけです。
この結果は、東北大学工学部の高橋信先生らを中心としたメンバーが「メガネ型デバイス JINS MEME を用いたワークロード推定の基礎的検討」という論文として発表しています。
また、熟練の伝統工芸品の職人と、まだ若い職人にJINS MEMEを着けてもらい、実際に作業をしてもらったところ、熟練職人はまばたきの強度が一定だったといいます。若い職人は、周りにいる人などから発せられる雑音などに影響を受けたのか、まばたきの強度に差が見られたそうです。このほか、ヨガトレーナーさんに瞑想(めいそう)をしてもらったところ、本当に集中している状態ではまばたきの回数が3分に1回ほどに減り、強度にもほとんど差が出なかった例なども紹介されました。
通常、人が集中状態にあるかどうかは、脳波や脳の中のヘモグロビン濃度などのデータを元に判定するのが一般的だそうですが、JINS MEMEでは、計測データが「集中した状態にある人と近いまばたきの回数や強度になったとき」、つまり状況証拠をもとに「集中している」と判定するわけです。
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