集中力が高められる? JINS MEMEアプリ「OFFICE」「ZEN」「WALK」が登場(2/2 ページ)
目の動きや頭の動きを計測することでさまざまなデータが取れるセンシングアイウェア「JINS MEME」を活用する最新アプリが新たに3本発表されました。今回は集中力にフォーカスしたアプリになっています。
より集中力を高めパフォーマンスを上げるには
集中力を高め、パフォーマンスを上げることについては、大会への出場などを通して、そうした経験を多く積んでいるスポーツ選手が、非常に興味深い研究対象になるようです。説明会では、予防医学研究者の石川善樹博士と、元陸上競技選手の為末大氏が登壇し、集中力を高めるには、というテーマで議論も行いました。
石川氏は、テニスプレーヤーの試合の映像を流し、「テニス選手は、ポイントを取ったり取られたりしたあと、毎回顔を拭いたりしていますよね。実のところ、本当にプレイしている時間は、試合時間の35%くらいなんです。残りの時間は、次のプレイの準備をしている。汗を拭いたり、ラケットのガットの部分を凝視したり。一流プレイヤーは次のプレイの準備のための、『リカバリーのルーティーンが違う』といわれています。こうしてプレイ中の集中力を高めているわけですね」とそのカラクリを紹介しました。
集中力を高め、超集中状態、いわゆる「ZONE(ゾーン)」に入るには、以下の条件が重要だといいます。
- 強いストレスを感じる
- 一気にリカバリーする
- 適切な目標行動の設定
- 行動からのフィードバック
例えば締め切りなどが近づくことでストレスを感じ、いい解決方法を思い付くことでリカバリーする。こういった状態はイメージできると思います。石川氏はそこから目標を設定して一気に集中し、その行動の結果のフィードバックがあると、より高い集中力が得られるようになると指摘。JINS MEME OFFICEは、その補助として役立つといいます。
実際に陸上選手として活躍していた為末氏は、「スポーツの場合、スコアやタイムなど、すぐに結果が見えますが、オフィスワーカーだとなかなかパフォーマンスを可視化しにくい。例えば自分は、説明をする会議や議論をする会議など、いろいろな種類の会議に出席しますが、種類の違う会議が交互にあると、パフォーマンスが落ちる感じがして、同じような種類の会議をまとめて予定に入れてもらうようにしていますが、それがデータで証明されているわけではありません。会議1つを取っても、相手との距離感や席の位置関係なども含め、参加者の集中力には影響があるはず。JINS MEMEを使えば、そういったことも測定して可視化できるでしょう」と自分の経験を交えたエピソードを披露しました。
JINS MEMEを使うことで、集中できない理由を見付けたり、逆に集中しやすい環境とはどういう状態なのかを探ったりできる、とも為末氏は言います。「例えば『この曲を聴いていると集中できる』といったように、自分のルール作りにも役立てられると思います」(為末氏)。自身は無音の状態がいいとのことで、「ノイズキャンセリングヘッドフォンを使っていた」と話していましたが、そうした集中方法を編み出すのにもJINS MEMEが活用できそうです。
「一流と言われるクリエイターたちのパフォーマンスが、非常に高い理由なども説明できるようになるかもしれませんね」(為末氏)
石川氏は「人間が真剣に集中できるのは、1日に合計4時間くらい、といわれています。その4時間を何に当てるか。一流とそうでない人を分けるのは、その4時間に真剣にやっているかどうかではないでしょうか」と話し、集中力を磨いていくことは、生産性を上げていく上でとても重要であると説いていました。
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