電動アシストが付いたロードバイクってどういうこと? :「YPJ-R」ロードテスト(1/2 ページ)
ロードバイクと言えばスポーツ自転車の一種であり、自分の足こそが推力と考えがちだが、ヤマハ発動機が開発した「YPJ-R」は、電動アシスト機能を持つロードバイクなのだ。これは一体どういうことなのか、実際に乗って検証してみるのである。
春から初夏は自転車乗りにはいい季節だ。暑くもなく寒くもなく、軽快に走れる。スポーツ自転車を始めるにはちょうどよい。
最近、電動アシスト機能が付いたロードバイクというものがあるのだ。ヤマハ発動機の「YPJ-R」。「電動アシスト付き自転車」と「ロードバイク」という、一見相容れなさそうな両者が合体した代物である。ロードバイクに電動アシスト機能を付けたもの、ではなく、電動アシスト前提で設計したロードバイクと考えた方がいい。
ロードバイクといえばスポーツ自転車の代表である。長距離を速く走るために設計された自転車だ。スポーツ自転車というくらいだから、乗るといい有酸素運動になる。それに「電動アシスト」がつくと、スポーツ自転車の“スポーツ”な部分が損なわれないか。そもそもスポーツ車と電動アシストの相性ってどうなのか。それが今回のロードテストの大きなテーマだ。
YPJ-Rには2種類のサイズがある。MとXSである。一般的なスポーツ自転車には、乗る人の身長やまた下の長さに合わせて、さまざまなサイズが用意されているが、それと比べるとバリエーションは少ない。
わたしの身長は170cmなのでMサイズでよいはずなのだが、以前開催された試乗会で両方にまたがってみたところ、Mだとちょっと大きく感じたので、今回はXSを借りてみた。
さて、このYPJ-R。自転車なのだから、買ったらすぐ乗れると思うかもしれないが、いろいろと準備が必要だ。スポーツ自転車のことをよく知らないという読者のために、まずは確認すべき事項に触れておきたい。
スポーツ自転車は本体以外にも必要なものがある
まずは鍵とライト
スポーツ自転車は、一般的にはフレームからさまざまなサイズがあり、ペダルなど必要なパーツを選んで組み合わせ、自分に合った1台を作り上げる(普通はサイクルショップなど専門店でアドバイスをもらいながら付けてもらう)。
YPJ-Rは、初心者向けのスポーツ自転車なので、必要なものはある程度そろっている方だが、それでもフロントライトは付いていないので、別途購入すること。純正のオプションが用意されているが、まあ市販の製品の方が選べて良い。
鍵も付いていないし、スタンドも泥よけもない。スタンドや泥よけは普通はなくてもいいけど、鍵は必須だ。鍵は眺めのチェーンロックがいい。スタンドがない分、自転車と何かをくくりつけられる長さ(180cmくらい)が欲しいところだ。
最低、鍵とフロントライトとテールライトは別途用意すべし。テールライトはなくてもいいけど(法的には赤い反射板でOkということになってる)、夜の視認性を考えると光る方がよい。
今回は、うちに転がってた鍵とフロントライトでまかなってみた。
ヘッドチューブにライトを付けた理由は、ハンドルバーにiPhoneを装着したかったから。なんというか、地図表示やGPSログなどのためにiPhoneなしで自転車に乗るのは考えられないわけで、ハンドルバーに強引にマウントを取り付けたのである。
もともとロードバイクはあれこれ余計なものを付けるためのスペースが少ない上に、YPJ-Rはモーターをコントロールするためのディスプレイがある。そのあたりの考慮もしてもらえるとうれしかった。
ヘルメットとグローブも必須
自転車に乗るのにサイクルジャージを着る必要はまったくないけれども、ヘルメットとグローブは用意したい。
基本的に車道をそれなりのスピードで走るわけで、いざ転んだときの衝撃はでかいし、ヘルメットをかぶっていた方が目立つので、クルマから視認してもらいやすい。自転車用のを1つ用意すること。
グローブも自転車用のものを。自転車用グローブはハンドルを握ることを考えたクッションになってるいし滑りにくい。夏場でも素手だと汗で滑りやすいので必須といっていい。
で、まあこんな感じである。
もし持っていないなら、空気入れも買っておくこと。今までママチャリしか乗ってなかった人は、バルブの形状が違うのでフレンチバルブ対応の空気入れが必要だ。
スポーツ自転車はタイヤが細い分、空気圧の調整をマメにしなきゃいけない。
身体にあったセッティングを
道具をそろえたら、さらに乗る前にセッティング。
スポーツ車はママチャリ以上に体に合ったセッティングが必要になる。長時間乗ることになるので身体に合っていないと、疲れたりどこかを痛めたりしがち(特に年齢が高くなってくると腰とか膝とかにきやすい)なのだ。
最初は購入店できちんとフィッティングしてもらうのが普通。サドルの高さや位置のみならず、ハンドルの高さや遠さ、時にはパーツを付け替えて自分に合ったサイズにするのだ。
今回はお借りした自転車なのでパーツ交換なんかはできないけど、サドルの高さと前後位置と角度は入念に調整した。
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