電動アシストが付いたロードバイクってどういうこと? :「YPJ-R」ロードテスト(2/2 ページ)
ロードバイクと言えばスポーツ自転車の一種であり、自分の足こそが推力と考えがちだが、ヤマハ発動機が開発した「YPJ-R」は、電動アシスト機能を持つロードバイクなのだ。これは一体どういうことなのか、実際に乗って検証してみるのである。
実際にYPJ-Rで走ってみる
YPJ-Rのバッテリーをチェックし、よっこらしょと持ち出す。
持ち上げてみると電動アシスト自転車としてはメチャ軽い。ロードバイクとしてはやや重め。XSサイズで15.2kg。
ちなみに一般的なロードバイクは10kg以下。クロスバイクが10〜15kgくらい。いわゆる実用車(ママチャリ)が20kgくらいで、子供を乗せるような自転車になると25kgくらい。電動アシスト付きの自転車になるとさらに重くなる。
今まで実用車に乗っていた人から見ると、電動アシストなのにこんなに軽い!と驚くのは確かだ。
電源スイッチを入れる。
液晶ディスプレイ(着脱式。これを外すと電源が入らない)とスイッチが独立しているので装着。
電動アシストはオフ・eco・STD・HIGHから選べる。とりあえずSTD(スタンダード)で。
ハンドルバーを握って走り出す。
最初の一漕ぎでぐっと電動アシストの恩恵を授かる。とにかく余計な力がいらない。さすが電動アシスト。
でもスピードが出るロードバイクなのであるからして、一瞬で時速20kmをこえ、アシスト無しの領域へ。
電動アシスト自転車のアシスト力は決められてて、分かりやすく言えば、時速10kmまではぐわっと効く。時速10km〜時速24kmまではスピードが上がるにつれアシストは弱くなる。時速25km以上は一切アシストは効かないのだ。
本当に、漕ぎ出しだけである。でもそれでいいのだ。
わたしが今まで乗った電動アシスト自転車(ママチャリからスポーツ車風のまで)は漕ぎ出しで「ぐわん」と強いアシスト力を感じて快適に飛び出せるのだけど、ちょっと走ってスピードに乗ると急にアシストがなくなってペダルが重くなってしんどいという、なんとも微妙な乗り物だった。
時速15km前後で近所を移動するには最強だけれども、時速25km以上で遠くへ走るには向かなかったのである。
だがしかし、YPJ-Rはそこが違う。
漕ぎ出しのアシストは一般的な電動アシスト車に比べると強くないけれども、その分、普段自転車に乗ってる感覚に近い。そうだな、何段か軽いギアにして発進した感じですーっとこぎ始め、気が付いた時速25kmを越えてた、って感じ。アシストの切れ目がほとんど分からない。
本格的に走ると時速30km巡航くらいがちょうどいい感じか(ストイックに走ってる人はもっと出すけど、一般人的にはそれくらい)。
実はそこがミソなのだ。
つまり、「電動アシストスポーツ自転車」というジャンルは、ぐいっと力を入れなきゃいけないところをアシストし、速度に乗ったら快適なスポーツ自転車になるという、そういう絶妙なバランスが求められるわけで、YPJ-Rの魅力はそこにある。
あっという間にアシストが切れるので、バッテリーは小さくてもいいし、ほとんどの時間は自力で漕いでるわけだから、いい運動にもなる。健康的という意味ではたぶん最強の自転車だ。
次回は自転車としてYPJ-Rはどんなレベルにあるのか、ちょいと遠乗りしてスポーツ車としての実力や使い勝手を見てみたい。
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