電動アシストの「YPJ-R」でどこまで走れるか:「YPJ-R」ロードテスト(1/2 ページ)
一般的な電動アシスト自転車と比べて、搭載するバッテリー容量は約5分の1と小さい「YPJ-R」。でもロードバイクなので、走り続けられれば結構バッテリーは持つはずだ。そこでどれくらいバッテリーが持つのか、実際に走ってみた。
ヤマハ発動機の電動アシスト機能付きロードバイク「YPJ-R」は、スポーツ自転車の入門者向けに、いろいろと考えられた製品であることを、前々回と前回の記事で紹介してきた。
今回は、このYPJ-Rのバッテリーが切れるまで走ってみよう、と思ったのである。
YPJ-Rのバッテリーは重さ約540gで容量は2.4Ah(25.2V)。同社の「PAS Brace XL」という電動アシスト自転車(いわゆるスポーティーモデル)のバッテリーは約2.7kgで要領は12.8Ah。YPJ-Rのバッテリー容量は、一般的な電動アシスト自転車の約5分の1弱なのだ。この差は大きい。
容量が少ない分、バッテリー持続時間の公称値は短い。スタンダードモードで約22kmだ。ちなみにPAS Brace XLは標準モードで約59km。
バッテリーの容量が約5分の1の割に、約22kmと約3分の1も走れるのは、一般的な自転車に比べて車体が軽い上に、一般車ほど強いアシストをかけないからかと思う。
電動アシスト自転車の場合、標準走行パターンというのが決められている。約22kmというのは、それに従って走った場合の値だ。周知の通り、時速25kmに達すると、YPJ-Rの電動アシストはゼロになる、つまりバッテリーは消費しないわけで、実際にはもっと走れるんじゃないかと推測できる。
よし、走ってみよう、と。
7.7kmで17%消費
まず自宅を出発して、7.7km離れた河川敷まで、できるだけ幹線道路を使って走ってみた。
ちなみに幹線道路まではあまりスピードを出せていない。さらに、途中1回コンビニで飲み物を買ったほか、一時停止や信号は全部守る(当たり前です)、という一般的な公道走行だとまあ平均時速20.2kmは普通かと思う。
7.7kmで17%。計算を単純化するために8kmで20%とすると、このペースなら40kmくらい持つことになる。幹線道路をさらにぐいぐい走るともうちょっといけそうだ。
自転車を止めるときはこのように液晶マルチファンクションディスプレイを外しておくと電源が入らないので、仮にワイヤーロックを切って盗まれたとしても、アシスト無しの重たいロードバイクにしかなりません。操作パネルからぶら下がってる短いケーブルについては後述
俗称よみうりランド峠(標高100m)を超える
調子に乗って予定より少し遠回りをしてみることに。スマホの地図を確認しながら走る。
ああ、そういうことしてたらスピードは落ちます。当たり前です。旧道はスピード出せないし。14.7kmまでしか来てないのにバッテリーの残メモリが6つに減ってる(50〜59%)よ。
しかもせっかくの電動アシストなんだから小さな峠を越えようってことで、上り坂に挑戦(よみうりランドへ上る坂は俗に「ランド坂」と呼ばれている)。
この時点でのメーターの写真は撮り忘れたのだけど、約17kmで半分を切っていた。嫌な予感。
今日は走るぞ、と家を出たはずなのに、生来の古道好き・歴史好きの血が騒ぎ、こんなのを見つけては止まって写真撮っちゃうものだから、全然進まない。ストップ&ゴーが多かったり、スピードを出せない裏道ばかり走っていると、すごい勢いでバッテリーを消費するのである。
しかも、地図を表示しつつGPSログをとってたらスマホのバッテリーが危なくなってきたのでついつないじゃった
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