電動アシストの「YPJ-R」でどこまで走れるか:「YPJ-R」ロードテスト(2/2 ページ)
一般的な電動アシスト自転車と比べて、搭載するバッテリー容量は約5分の1と小さい「YPJ-R」。でもロードバイクなので、走り続けられれば結構バッテリーは持つはずだ。そこでどれくらいバッテリーが持つのか、実際に走ってみた。
YPJ-Rはスマホに給電しながら走れる!
稲城大橋を多摩川の対岸に渡ったあとにはこんなことに。
実はYPJ-R、バッテリーをモバイルバッテリーとしても使えるのだ。
ControllerにmicroUSB端子がついており、電源を供給してくれるのである。microUSBなのでいったんUSB-A端子に変換しなきゃいけないが、その変換ケーブルさえ用意すればいい(microUSB B-USB Aメス変換ケーブル。OTGホストケーブルと呼ばれているものでOK)。
ただ出力はあまり大きくない。
そうこうするうちにバッテリー残量が本格的に減ってきたことに気づき、スマホのケーブルを外して、多摩川サイクリングロードに入ることに。そうすれば信号もなく、平日なので歩行者も少ないので、バッテリーを消費するストップ&ゴーなしでいけるから、ほとんど消費しないはず。
で、多摩川サイクリングロード(サイクリングロードと呼ばれてはいるが、歩行者もいるのでスピードを出しすぎてはいけません。歩行者優先で)をひた走る。
でも休みなしで走ると疲れるので途中でバッテリーの確認がてら休憩。
え、まだうちまで10kmあるのに。ヤバい。
がんばってバッテリーを消費しないよう多摩川サイクリングロードを走るとしても、多摩川沿いに住んでるわけじゃないので、途中で川を離れて公道を走らねばならないのである。
バッテリーはどこまで持ったか
多摩川から離れ、公道を走っていると、とうとう残り1%に。でもあと一息。
最後の上り坂さえクリアしてくれれば、その後はアシストが切れても問題なく平坦な道だ――。だがしかし、ちょうど緩く上り始めたところで、急に足が重くなったのである。いきなりずしんと重くなるのだ。
「ああ、こんなに違うのか」と感心するくらい。電動アシストの偉大さを一番感じた瞬間かも。
かくして、無情にも坂の目の前でバッテリーがなくなったのでありました。
こうなったらもうどうしようもなく、一番軽いギアにして(一番軽くしても、フロントが34歯、リアが25歯のロードバイク仕様なのでクロスバイクやMTBに比べると重い)ひぃひぃいいながら、電動アシスト付ママチャリに追い越されつつ上ったのでありました。
残り3kmしかない、といわれてから約6km走れたのでまあがんばったということか。
一度アシスト付になれちゃうと、足がつらいわー、と思いつつ家に辿り着いたときは35.5km。
以上である。
なお、見て分かるとおり、バッテリーを消耗してアシストができなくなっても、サイクルメーターとしては働き続けてくれる。すばらしい。
ではiPhoneで取ったGPSログを地図に貼り付けて今日の反省会。
「カシミール3D+スーパー地形セット」にiPhoneでとったGPSログを読み込み、平気速度によって色と太さを変えた。青はアシスト無し、赤はアシストあり、紫系はまあ弱いアシストがかかってる状態と考えていい
これは一目瞭然すぎますな。
よみうりランドに向かって坂を上っている間はバッテリーを消費するのはしょうがないとして(上り坂でのアシストがもっともバッテリーを消費する)、それ以外の多摩丘陵近辺でのんびり走りすぎ。途中で止まっては作例を撮ったり、神社や庚申塔を見つけては止まって撮ったり、ときどき明治の地図を見て古い道はどっちだろうと探ったりしてる間でバッテリーを消費してるのだ。
いやはやわたしが悪かった。
今日の走行パターンに他の日に何回か走ってみた感覚を加味して考えると、信号が少ない幹線道路を気持ちよく快走する分には10kmで20%くらいの消費なので(もちろん信号はすべて守っております)、実質、バッテリーが持つのは40〜50kmあたりか。
逆にストップ&ゴーが多い街中を走ったり、わたしのように寄り道が多かったりすると35kmくらい。あとは登坂がどのくらい入るかで増減するかな――というところだ。
一般的なロードバイクの走行パターンは明らかに前者であり、そもそも長距離を高速で気持ちよく走るための自転車であるから(わたしは寄り道しすぎ)、それに登坂がちょっと加わったとして、バッテリーの持ちは35〜40kmくらいを目安にすべきかと思う。
でもロードバイクなら1日に50〜80kmは走りたいところだ(100km以上走るぞ、という人は電動アシストじゃない普通のロードバイクがお勧め)。
となると、平坦路が続くときはエコモードに落とす、ときどきアシストをオフにするという延命措置を施しながら走るか、予備バッテリー(540g)をバッグに入れて出発するか、という工夫が欲しくなるだろう。
お勧めは予備バッテリー持参。バッテリーの残量を気にしながら走るよりはその方が気持ちいいかと思う。
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