飲酒量は、各国がその基準を定めています。例えば、日本では厚生労働省が、純アルコール20グラム程度の飲酒を「1日平均で節度ある適度な量」と定めています。
各国との比較も含めて、国が規定している内容を見てみましょう。
イギリスがアルコール消費量のガイドラインを厳格化
イギリスの「イギリス国民保健サービス(NHS)」は、2016年1月に飲酒のガイドラインを改訂しました。改定後の現在、週に14ユニット以上のアルコール摂取は避けることを推奨しています。1ユニット=純アルコール8グラムなので、14ユニットは112グラムということ。週に112グラムとすれば、1日16グラムになります。
ワインボトル1本(750ml)では、約10ユニットに相当するため、一週間のうちにワインボトル1本半(=約15ユニット)を飲んでしまうと、規定の14ユニットを超えてしまうことが分かります。
この規定は、日本と比べてどれくらいの差があるのでしょうか?
日本の飲酒ガイドライン
日本の厚生労働省が呼びかけているのは「節度ある適度な飲酒」です。1日平均、純アルコール20グラム程度が推奨されています。20グラムは、ビール中瓶1本、日本酒は1合、酎ハイの350ml缶なら1本、ウイスキーダブル1杯など。この数値は、日本人と欧米人を対象とした、大規模な疫学研究から、そのアルコール消費量と総死亡率との関係を検討して、割り出されたものです。
日本の1日20グラムと比べれば、イギリスの1日16グラムの基準はやや厳しめであることが分かります。
アメリカ、カナダ、オーストラリアのガイドラインは?
他の国も、それぞれが飲酒量のガイドラインを持っています。
アメリカの「アメリカ疾病センター」によると女性は1日に1杯、男性は2杯までと呼びかけています。1杯は純アルコール14グラムなので、女性は1日に14グラム、男性は1日28グラムとなります。イギリスや日本と比べれば緩い基準になっています。
カナダにも「低リスク飲酒ガイドライン」というものがあります。その中で、男性は1日に3杯を超えないこと、女性は2杯を超えないことが推奨されています。純アルコールは1杯13.6〜13.8グラムなので、女性は27グラム程度、男性は40グラム程度が上限です。イギリスや日本と比べればかなり緩いですね。
オーストラリアでは、生涯の病気や傷害などのリスクの観点から男女ともに「1日に2ドリンク」を超えないことが推奨されています。1ドリンクは純アルコール10グラムなので、1日に20グラムということになり、日本と同程度の量だといえるでしょう。
旅行先での飲酒は、行った国のガイドラインを守って行いたいですね。
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