震災でも注目 「弾性ソックス」の効果って?
むくみ取りに使われている「弾性ソックス」。実は先日の熊本地震でもエコノミー症候群予防のために注目されました。デスクワークで座りっぱなしの人も活用すべきものです。
よく、女性がむくみ対策のために履いているというイメージがある「弾性ソックス」や「着圧ストッキング」と呼ばれる靴下があります。ただ美容のためのむくみ改善だけでなく、治療にも使われており、一般医療機器として認定されている製品もあります。
熊本地震で避難所に避難した人たちにも、エコノミークラス症候群の予防に使われていたというこの弾性ソックスについて、その効果をご紹介します。
弾性ソックスとは何か
弾性ソックスや着圧ストッキングが日常的に履かれているソックスやストッキングと違うのは、その名の通り締め付ける圧力が強いところにあります。足首からふくらはぎにかけて段階的に圧力を変えて強めに締め付けるのが特徴です。
一般的に流通しているほか、一般医療機器に認定されているものもあり、医療用分野でも活用されています。
弾性ソックスの効果とは?
この弾性ソックスや着圧ストッキングを履くことで得られる効果は、ふくらはぎの筋肉が強く支えられることで動作が楽になることのほか、脚の静脈を圧迫することによって、心臓へ戻る血流を促進することがあります。
これらの効果から、弾性ソックスはむくみや、脚の静脈に血がたまり血管が膨らむ「下肢静脈瘤」の改善などで活用されています。
医療現場では弾力のある包帯が使われることもありますが、ソックスやストッキングなら履くだけなので、その便利さから、現在多くの施設で活用されているようです。
震災の被災地でも活用された
弾性ソックスや着圧ストッキングは、飛行機などで、長時間同じ姿勢で座っていることで起きやすくなるエコノミークラス症候群を防止するのに役立つといわれています。
エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢でいることが原因で、足の静脈を流れる血が固まって、その血の塊である「血栓」が血管を塞ぐことで生じる疾患です。正確には、「深部静脈血栓症」「肺塞栓症」などと呼ばれます。血栓が肺の静脈にまで達してしまうと、肺に血液が流れなくなって呼吸困難に陥ったり、最悪の場合には心肺停止に至ったりすることもあります。
弾性ソックスは、静脈の血流を改善することができるため、血栓ができるのを防ぐことができます。
先日の熊本地震の被災地でも、この弾性ソックスが活用されました。被災後、何日にも及ぶ避難所生活や車内泊において、長時間同じ姿勢を取り続けていることでも、エコノミークラス症候群のリスクがあります。そこで、予防のために有効とされ、支援物資の1つとして活用されました。
ただむくみの不快な症状を緩和する目的だけでなく、血流促進・静脈血栓予防にも使える弾性ソックス。女性だけでなく、男性用もありますので、デスクワークで長時間座りっぱなしの人は活用してみてはいかがでしょうか。
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