メジャーリーガーは、バッターボックスに入る前にガムをかんでいる、というイメージがありませんか。一見、気分転換のためや、嗜好品として楽しんでいるように見えますが、実は集中力が高まるなど、良い結果を出す効果があったのです。ガムをかむことがどのような効果をもたらすのか、科学的に検証した実験結果があります。
人がガムをかむ理由とは?
人がガムをかむ理由を調べると、ストレス発散や気晴らしのため、口さみしいから、などが多く挙がります。また、中には車を運転中、眠気を覚ますためにガムをかむ、といった目的がある場合もあります。しかし、ガムをかむことには、もっと大きな効果があることが分かっているのです。
ガムを噛む効果は科学的に検証されている
ロッテの「噛むこと研究室」では、ある海外の調査事例が紹介されています。ここでは、大学職員126人を、市販のさまざまな味のチューインガムをかみながら仕事をしたグループと、ガムを一切噛まずに仕事をしたグループとに分けて、ストレスや疲労感などの「仕事の幸福感」の差異を調べました。
- 参考リンク:月曜の朝こそ、ガムを噛もう
【調査された7項目】
仕事上のストレス・疲労・不安感・気分の落ち込み・不注意・仕事の遅れ・認知上の問題(勘違い)
結果、ガムをかんでいたグループのほうが、すべての項目で顕著に幸福度が上回っていたのだそうです。
また、総合研究大学院大学 生命科学研究所が、2008年11月に発表した研究結果によれば、ガムをかんでいるときのほうが、「P300」という脳波の指標への反応が短縮されたのだそうです。簡単にいえば、ガムをかんでいると「ボタン押し」の動作においてより反応時間が早く、0.3秒後に出現する陽性の反応であるP300が短縮されたということ。このことで、ガムを噛むことは、脳の活性化につながることが科学的に実証されました。
仕事中ガムをかむのは不謹慎?
これらの実験結果を踏まえると、仕事中にガムをかむことは、仕事をしている最中の幸福感が増えるだけでなく、仕事そのもののパフォーマンスやスピードにも良い影響が出ると言えそうです。
そうなると休憩中だけでなく、オフィスワーク中にもガムをかみたいところ。でも、それにはハードルがあるかもしれません。日本の習慣では、ガムをかんでいる姿は、口元が常に動いており、どうしても見た目が「不謹慎」という評価がなされます。もしオフィスでガムをかみたい場合は、周囲の理解を得てからのほうが良いかもしれません。ガムの効果、上手に活用してみましょう。
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