職場の人間関係がうまくいっていないときの対処法:臨床心理士みらーのメンタルアドバイス
みなさんは職場の人間関係で悩んだ事はありませんか? じつはこの問題はとても深刻で、退職理由の7割は上司との人間関係によるもの、というデータもあるくらいです。人間関係への対処法やストレスの解消法、そして環境や状況によって考え方や行動を変えることにより、今の人間関係を楽にできる方法を紹介します。
昨今、「会社での悩み」をアンケートなどで調査をすると、必ず人間関係の問題が上位に来ます。確かに人間関係がうまく行かないと、会社に行くのが嫌になったり、仕事の効率が落ちてしまったりしますよね。人間関係は1度こじれると修復はなかなか困難で、それによってストレスを溜めこんでしまう方は多く見られます。また、仕事を辞めて一度その関係をリセットしても、次の職場ではまた別の人間関係が発生します。ほとんどの仕事は人を通してやっていくものですから、これを避けていくのもなかなか難しい話です。
では人間関係がうまくいかず、ストレスフルな状態になってしまった時、どう対処したらいいのでしょうか。今回はこういった人間関係がうまく行かないときの対処法についてお話ししたいと思います。
職場の人間関係がうまくいかなくなったら?
世の中にはいろいろなタイプの人がいます。社会には多様な人がいるから面白い、とはよく言われますが、これが仕事の人間関係となるとそうも言っていられません。なぜなら、仕事では上司や同僚を選ぶことが難しいので、性格が合わない人とも一緒にいなければならないからです。たいていの場合、職場には合わない人の1人や2人はいるものです。
合わない人といると余計に疲れたり、気分が乗らなかったりします。とはいえ仕事を投げ出す訳にもいかず、いろいろ疲れますよね。
実は退職や転職理由の7割以上はこの人間関係の問題と言われています。職場での人間関係がうまくいかなかったとき、それをそのままにしておくのは、あまりいいことではありません。では、こんなときはどうすればいいのでしょうか?
職場の人間関係をうまくいかせるようになるコツ
職場の人間関係を少しでも改善したいなら、以下のような行動を実行してみてはどうでしょうか。
1.朝あいさつをする
そんなの当たり前だ、と思う人がいるかもしれませんが、これはとても大事な事です。というのも、あいさつは最も手軽なコミュニケーションツールの1つだからです。
人間関係が微妙になっているとき、たいてい口数は減り、その相手とはだんだん疎遠になっていきます。そうすると、相手の印象は変わらないので、余計相手に対する印象は悪くなります。
そんなとき、あいさつをきっかけにしてコミュニケーションがとれれば、そういった印象が変わっていく可能性もあります。
また、あいさつというのは基本的に相手にとっての印象を良くする行為なので、毎日挨拶をするだけで職場での人間関係が変わっていくこともあります。
2. キーパーソンを見付ける
キーパーソンというと、通常は組織の中で、とくに大きな影響を全体におよぼす「鍵となる人物」のことを示します。会社で言えば、上司や重要なポストにいる人になるでしょう。ですが、ここで言うキーパーソンと言うのは肩書きではなく、職場の雰囲気を作っている人ということです。
例えば、いろいろな人からいつも相談を受けている人望の厚い人や、みんなが一目置いているような人、そして、とても影響力が強くて、職場の人がつい顔色をうかがってしまう人など、職場の雰囲気に対して強い影響力を持っている人です。
こういったキーパーソンと関係を作っておくと、それはそのまま職場の人間関係の改善に直結することが多いです。なぜかというと、キーパーソンと仲良くなれれば、その人を通じてみんなと仲良くなることができますし、影響力が強いので、負の感情も向けられにくくなります。
また、キーパーソンは職場の雰囲気に対する影響力が強いため、職場の人間関係や現状を一番把握しやすい位置にいます。したがって、その人から色々教えてもらう事によって職場の人間関係を円滑にしやすくなります。
3.自分からコミュニケーションを取るように心がける
人間関係のトラブルは、たいていの場合コミュニケーションの不足で起きる事が多いです。そして、一度そういう状態になると余計話をしなくなりますから、より印象は悪化します。ですので、人間関係の改善のためにはこの悪循環を断ち切る必要があります。
こういうときは、あえて自分から話しかけるという方法があります。
なぜなら、相手の方も自分に話しかけにくいものですし、放置しておくと余計関係は悪化してしまう可能性があるからです。また、自分では苦手と思っていても、相手はそう思っていないときもあります。苦手な相手と上手くやっていくのは難しいことですが、そのままにしておくと、他の人との関係に影響する事もあるので、自分から一定の関係を作ってしまう方がいいのです。
4.自分の職場での振る舞いを変えてみる
自分の振る舞いというと難しく聞こえるかもしれませんが、そんなに難しい話ではありません。
職場の人間関係を改善するには、自分が周りから話をしたい、感じがいい人だと思われるのが一番ですが、いきなりそう思われるのも難しいですよね。こういうときは難しく考えず、何かをしてもらったら素直にありがとうと言う、そして、なにか失敗をしてしまったら素直に謝るといったことから始めることも大切です。
人間関係が悪化する直接的な理由は、この何かをしてもらったとき、何か失敗をしたときの反応によるものが大きいのです。逆に言えば、こういったところをしっかりおさえておけば、人間関係はスムーズになりやすくなります。
繰り返しになりますが、職場の人間関係は、退職理由の7割を超えるほどの、頻繁で大事な問題です。ですので、上に挙げた対処法を用いて、円滑な職場の人間関係を作っていきましょう。
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