Snapchatは、9月24日に社名をSnap Inc.へと変更し、「Spectacles」(スペクタクルズ)というカメラ付きサングラスを発表した。サングラスの右端にカメラが内蔵されており、左端のボタンをタップすることで10秒の動画を撮影できる。
撮影された動画は、ワイヤレスでSnapchatアプリの「メモリ」に送信される。Snapchatのメモリは、Snapchatの特徴だった「自動的に消える写真やビデオ」を覆す、保存できるタイムラインのような存在だ。
Snap Inc.は「カメラ会社」だというステイトメントを出し、企業の方向性のシフトチェンジを象徴するウェアラブルカメラという位置付けになる。
ストックからフローの時代へ
筆者は1999年からの4年間、大学生として過ごした。モバイルマルチメディアをテーマとしたゼミ生の間で注目されていたキーワードに「ライフログ」があった。直訳すれば生活の記録。
ちょうどカメラ付きケータイが登場し、写真を撮ることが非常に手軽になったこと、そしてWeb日記を経て、言葉としてWebログ(ブログ)が登場し、文字を記録する場としてのインターネットも認知が進んだ。
こうした情報を蓄積して行くタイプのサービスの最たる存在がFacebookだ。人間関係、写真、共有する情報など、全てが蓄積されていった。それにしては検索性の低さに非常に不満を覚えているが。
一方、今回のテーマであるSnapchatは、米国だけでなく日本でも、若者世代を魅了するサービスだ。Facebookを避けてSnapchatを楽しむミレニアム世代の言い分は、「親がいないこと」。
ただ筆者は、情報の扱い方にも大きな違いを見いだしている。
それはすなわち、ストック型のFacebookに対する、フロー型のSnapchat、という対比だ。フロー型のサービスでうまくいっているのはSnapchatくらいだろう。Twitterもフローが得意なサービスであるが、おそらく登場が早すぎた。
人々がストックのサービスに興味を持っていた時代が、今ようやく終わろうとしているからだ。ジャック・ドーシーがリーダーシップをとって、「ニュースネットワーク」との方針を打ち出しており、輝くようになるのではないだろうか。
ライフログからフローへ
こうしたメディアのモードの違いを指摘した上で、Spectaclesをあらためて見直してみよう。
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