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コラム

間食で「疲れを解消する」には“アレとアレの組み合わせ”が効果的

仕事中にちょっと小腹が空いたときに食べる間食。たまった疲れを解消できればもっといいですよね。そこで、いつもの間食を上手に食べるコツを専門家に聞いてみました。

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 今、30〜50代で働く男女の健康の悩みで多いのは、「疲れやすい・疲れがなかなか取れない」や「体重が増えるとなかなか戻らない」だといいます。これは、大正製薬が2015年に実施した「間食」についての調査結果によるものです。また、同調査では、2人に1人は週1回以上、仕事中に間食をしているそうで、空腹やストレスを解消していることが分かりました。

 そこで多くのビジネスパーソンにとって重宝すると考えられるのが、「疲れを解消しながら食べる間食」。果たして、間食で疲れを解消することはできるのでしょうか。管理栄養士の方に聞いてみました。

監修・取材協力:管理栄養士 小池ゆみえさん

約10年病院勤務後フリーランスとなる。現在は育児の傍ら、食品会社のお客さま相談やセミナー講師、保健指導、献立作成、執筆などに携わる。またスポーツ栄養にも力を入れ、アスリートの栄養サポートを行っている。

ブログ:http://ameblo.jp/yumie-koike/


疲れを回復する間食の食べ方って?

 今回話を伺ったのは、アスリートの栄養指導なども行う管理栄養士の小池ゆみえさん。疲れを回復するための間食の食べ方のポイントを教えてもらいました。

 「夏バテもそうですが、現代人の疲れは栄養失調からくるものもあります。間食では、食事で不足している栄養素を摂れるものが理想。また欠食などで、脳のエネルギー源が足りない疲れなら、糖質の補給が重要です」

 具体的には、次のような間食がおすすめだといいます。

  • 朝食を抜いたら、午前中に野菜サンドやバナナなどを食べる。朝食を抜くと空腹時間が長すぎるため、次の食事で血糖値が急上昇しやすい。それを抑えるために、野菜やバナナなどの食物繊維の多いものを一緒に摂ると良い。
  • 午後の間食は15時に。息抜きの意味でも好きなものを食べる。15時のおやつは脂肪蓄積を促進する「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質の分泌量が最も減る時間帯なので、脂肪の多いチョコやスナック菓子も少量ならOK。
  • 夕飯が遅くなりそうなときは18時頃におにぎりなどを。ただし、くれぐれも足りないものを補う範囲内で。

どんな間食が疲れにくいの?

 もっと疲労解消にこだわるなら、間食の内容はどのようなものがいいのでしょうか。小池さんによれば、ポイントは“ある組み合わせ”だといいます。

 「重要なのは、糖質だけ食べるのを避けることです。ビタミン不足でますます疲れてしまいます。糖質をエネルギーに変えるときにはビタミンB1が不可欠。“糖質+ビタミンB1”を心掛けましょう」

 そこで小池さんに、「糖質+ビタミンB1」の例をあげてもらいました。

 「ビタミンB1の多い玄米おにぎりや、ビタミンB1の多い豚肉の入った肉まんなどは、疲労回復の間食として優れています。ドライフルーツや栄養バーのようなものもいいでしょう。糖分で脳のエネルギー源補給にもなり、ビタミン・ミネラルも補給できます。

 GABA入りチョコと牛乳の組み合わせもいいでしょう。GABAには抗ストレス作用があるといわれています。仕事中は避けるべきですが、安眠効果もあります。牛乳はビタミン・ミネラルがバランスよく含まれているのでチョコの糖質と共に摂取するといいですね。牛乳の代わりにヨーグルトやチーズもいいかと思います」

間食を食べてストレス発散できる?

 ところで、間食を食べると、なんだかストレス発散になることがありますが、これは「あり」なのでしょうか。小池さんに聞いてみました。

 「結論からいえば『あり』です。ただし、カロリーオーバーにならない範囲で、という条件つきになります。ストレス解消という名目で無制限に食べては、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病につながります。

 食事は栄養を摂ることだけが目的ではなく、「おいしい」と感じることが大事で、こころの栄養にもなります。摂取量を考え、上手に取り入れられるのであれば、ストレスの解消に間食というのはありでしょう。

 とはいっても、間食でストレスが解消されたと思っても、一時的なものなので、ストレスの原因そのものの解決にはなりません。このこともよく意識しておきましょう」

 間食は上手に選んで、適度に食べれば、疲れ&ストレス解消につながります。食べすぎや選び方にはよく気を付けながら、賢く間食を活用したいですね。

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