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タレントの島田紳助氏が芸能活動を引退――会見全文(4/5 ページ)

よしもとクリエイティブ・エイジェンシーは8月23日22時、緊急会見を行い、タレントの島田紳助氏が芸能活動を引退することを発表した。理由は暴力団関係者と付き合いがあったため、というもの。島田紳助氏に加えて、同社の水谷暢宏社長も参加した会見の詳細をお伝えする。

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芸能生活を振り返って

――この何十年間の長い芸能生活はどういうものだったのでしょうか。

島田 やっぱり本当にすばらしい人にいっぱい巡り合えたし、すてきな人ばかりでした。そして、自分が勝手に心の師とあおいでいる上岡龍太郎さんが引退したのが55歳なんですよね。自分は今、55歳です。

 「絶対君は引退したらアカンよ。どんなことがあっても引退したらアカンよ」と上岡さんに何年も前から言われていたのですが、こういう結果になって同い年で引退というのに何か運命を感じます。そして今、僕をこのシーンまで上げてくださるのに大きく力を貸してくださった和田アキ子さんにもメールじゃなくて、電話で報告しようと思ったのですが、お出にならなかったので報告はできませんでした。

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――今までの芸能界の長い活動で、一番思いだすもの、思い出すシーンなどがあれば教えてください。

島田 やっぱり事件を起こして自分がもう駄目だろうなと思った時に、みんなで温かく迎えていただいて、そして「もういっぺんなくなった命だから、やりたいことをやろう」と思ってやらせていただいた時に『クイズ!ヘキサゴン』という番組が当たって、そこから自分の子どものような人たちがたくさんスターになっていってくれたのが一番うれしいです。

 だから昨日、上地雄輔が家に来て、父ちゃん父ちゃんと言いながら泣いていたんですけど、それは僕の子どもたちですから、「お父ちゃんは引退しても子どもたちの成長をこれからも見守るから」とちゃんと聞かせました。

――みなさん涙々の時間だったわけですか。

島田 そうですね。でも奴らはしっかりしていますよね。上地は昔から言っているのですが、「一生父さんを守るからね」と。

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――とても長い芸能生活の中でこの世界にいて一番良かったと思えたことは何ですか?

島田 やっぱりいろんな方とお会いできたことが僕の中での一番の財産ですね。僕が普通の人だったら絶対会えなかった人とたくさん会えました。

 例えば孫(正義)さんと食事をさせてもらった時、本当に歴史上の偉人と食事をしているような時間でしたし、帰って感動しましたし、何かいろんなことを喋っていて、自分が成長できました。孫さんと2時間の食事の予定が4時間になって、分かっているのか分かっていないのか分からん僕に一生懸命4時間熱く語られた時には本当に幕末の偉人と喋っているようでした。

 そして次の日、俺もメールを送ろうと思いましたら、僕の携帯はドコモだったので、「これはいかんな」と思って、ソフトバンク(の携帯)を買いに行って、「ありがとうございました」と送りました。送った後、また契約解除してドコモのものを使っているのですが。

 「ソフトバンクに変えないといかんな」と思わせてくれた孫さんのような、偉い方々にたくさんお会いできたことが僕にとって一番の財産だと思います。その方々に本当に感謝していますし、そして、僕のファンの方なんて少ししかいないのですが、その方々から「人生が変わった」とかいろんな熱い手紙をいただいて、僕は「人の役に立っている時もあるんだ」と思いまして、人気者でも何でもない僕に対してそういうお手紙を送っていただいたりすることがあって、やってて良かったなと本当に思いました。

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『島田紳助100の言葉』

 先日、面白くもない偉そうな『島田紳助100の言葉』という本を出させていただいて、あの本が僕の芸能生活の中で一番売れた本になった時に僕は一番うれしかったです。笑いだけじゃなくて、こんなことも求めてくれている方がいるんだなと思いました。本当に申しわけなかったです。だから、『島田紳助100の言葉』を買っていただいた30万人のみなさんには心から感謝すると同時に、今日は101個目(の言葉)ですわ。「毅然とした態度で自分に重い処分を与えました」が。

――10数年前にトラブルの解決を暴力団の方に頼んだのが今回のきっかけになったかと思うのですが、その暴力団の方にAさんを介して頼んだことについて今、後悔されていますか?

島田 僕の中ではAさんに頼んだのではなくて、Aさんが僕に電話をされて「どうしたんだ」とおっしゃって、その時Aさんはまったくのカタギの方ですから、「こういう問題なんだ」と、心配して電話をしてきた方、何人かと同じように喋りました。そうしたら、「そうなんや」と言って、僕の知らない間にAさんがその方にお願いして解決してくださったんです。

――ただ、「Bさんという暴力団の方にこういう形で解決してもらったんだよ」と聞いて、ご自身はその時はどう思ったのでしょうか?

島田 その時は僕は本当に(芸能界を)やめるつもりでいましたから、人間ですから、解決できたことにホッとしました。ただ、Bさんに解決してもらって、「これはあんな風になることが起こったな」という認識はありました。だから、「どうしよう」と。この世界の方とその世界の方が接触してはいけないと思いました。

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 そこで、僕は会いに行って、そのことを伝えに行きました。「僕たちの世界の人間は接触できない」と伝えました。すると、その方は「だから会う必要もないし、テレビで頑張ればいいんだ。それが一番の恩返しだ。接触することが一番良くないから。君も僕に対して一切の恩を感じたらアカン。そういう必要もないんだ。僕はAに頼まれて解決しただけだから、君が何も思う必要はない」とおっしゃいました。

 それは僕も何か違和感があったので、まあはっきり言って「お金か何かを渡さないとイカンのかな」と正直思いました。すると、「バカなことは言うな。そんなことはありえない。君はそういう思いを持っているのなら、僕もそういう思いを持っており、君に頑張ってほしいと思う。男と男は心と心でつながったら、会う必要もないねんで。いつか俺がどこかで死んだら電話はしてくれ」とパパッとおっしゃったんです。まあヤンキー上がりの僕には一番心にその言葉が響きました。だから僕は心の中ではそういう思いでいようとその時は決意しました。

 だから、僕の中ではさっき言ったように、直接メールすることもなかったので問題なかったという認識でいたのが一番大きな問題で、本日に至っています。だからといって、正直言って、僕は後悔していません。「あの人と付き合わんといたら良かった」と心の中で僕が今思ったら、僕は僕を嫌いになっちゃいます。だから、心の中ではそう思い続けました。

 それは芸能界としてはいけないことだと思います。だから僕は今後も付き合いませんし、もちろんメールもしません、言葉にもしません、僕の心の中には感謝はずっと持っていたいと思います。それは芸能人とは関係なく、人としての感情だと思います

――芸能界でやり残した未練のあることを教えてください。

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島田 もうまったく未練はありません。

 生放送でも言ったのですが、武田鉄矢さんがテレビで語っているのを見て、「ああこれやな」と思いました。「山はてっぺんまで登ったら、ゆっくりうまく下りないといけない。それで初めて登山成功だ。下山できなかったらそれは遭難だぞ」とテレビでおっしゃっていました。

 鉄矢さんにも若い時にかわいがってもらって、その言葉を胸に下山しようと思ったのですが、山のてっぺんから向こうが崖で転げ落ちてしまいましたが、それも僕らしいかなと思っています。

 はっきり言いまして1回は、一瞬てっぺんに半年くらい上ったので悔いはありません。僕がてっぺんに乗った半年間を親友の(明石家)さんまが確認してくれましたので、その時に自分の中で一瞬てっぺんに立ったという自覚だけは持っています。

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