Amazonが620億円で買収する「倉庫ロボット」のすごさ
Amazon.comが買収したKiva Systemsは、ロボットで倉庫内の作業を自動化する。人間は動く必要がなく、そのうち人間さえ不要になるのではないかと思わせるシステムだ。
Amazon.comが先月、倉庫ロボットを手がけるKiva Systemsを7億5500万ドル(約620億円)で買収すると発表した。Kivaのシステムがどんなものなのかを説明する動画がネットで公開されており、そのすごさを垣間見ることができる。
Kivaのシステムは倉庫内の作業を徹底して自動化する。倉庫内では、オレンジ色の四角いロボットが商品を積んだラックを載せて縦横無尽に走る。どこか未来的な光景だ。商品が動くので、スタッフは動かずに済む。
Kivaのシステムはサーバと統合されていて、サーバに商品の注文が送られると、リアルタイムでロボットに商品を持ってくるよう指示が出される。スタッフが商品を取りに行くのではなく、ロボットが持ってきた商品を受け取るだけなので、1時間当たりに処理できる注文数が2~3倍になるという。
スタッフはロボットから商品を受け取って、出荷用の箱に入れるが、このときKivaはレーザーポインタでピックアップする商品を指示する。スタッフの前には出荷用の箱がいくつも並んでいるが、商品のバーコードをスキャンすると、ランプが光ってどの箱に商品を入れるのかを示すようになっている。このように、トレーニングを受けていないスタッフでも、間違わずにパッキングができる仕組みを取り入れている。
スタッフに商品を渡したロボットは待機位置に戻るが、よく売れる商品を載せたロボットはスタッフに近い位置に、あまり売れない商品は遠くに配置される。待機位置は商品の売れ行きに合わせて変化し、効率的な移動が可能で、ロボットは互いにぶつからないよう走るようになっている。
CNN Moneyによると、Kivaの「スタートアップキット」は100万~200万ドル。大規模な倉庫ともなれば、1500万~2000万ドルになる。しかしいったん導入すれば、効率化により時間とコストをかなり節約できるという。
Kivaのシステムでは、倉庫で人間が担う作業は、ロボットが持ってきた商品を箱に移すのと、箱に封をして出荷すること。倉庫で働くのはすべてロボット――ということになる日もそう遠くないかもしれない。
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