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「制作者もみんな実況するといいよね」――「ぷよぷよ」「ドシン」「かまいたち」の3人が「ゆめにっき」を実況して感じたこと日々是遊戯(2/3 ページ)

8月10日から13日にかけ配信された「SIRENシリーズ+人気ホラーゲーム一挙クリア81時間ぶっ通し! 実況」。人気の生主や実況主らがホラーゲームに挑戦する中、唯一「ゲームクリエイター」枠で参加した、米光一成氏、飯田和敏氏、麻野一哉氏の3人に、ゲーム実況についてどう見ているのか質問をぶつけてみた。

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ニコ生が何かをドライブさせる

米光一成さん。ライター、ゲームデザイナーであるとともに、立命館大学教授としての顔も持つ。代表作に「ぷよぷよ」「バロック」など。

―― 2人とも、ニコ生でゲーム実況をするのははじめて?

飯田 ニコ生自体は経験あるけど、ゲーム実況ははじめてだよね。

米光 うん。

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―― 普通に部屋でひとりで遊ぶのと、ニコ生で遊ぶのってやっぱり違いますか。

米光 違ったねぇ。

飯田 違うよ。超おもしろい。

米光 ドライブするよね、自分の中で、何かが。

飯田 みんなが虜になっちゃうのも分かる。

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米光 だって一人でやってたらさ、リアクションって言っても「おっ」くらいだよね。あんなに叫んだりしない。

飯田 ハイになっちゃう?

米光 うん。やっぱりなにか魔力みたいなのがあるんだよ。

飯田和敏さん。代表作に「アクアノートの休日」「巨人のドシン」「ディシプリン*帝国の誕生」など。グラスホッパー・マニファクチュア所属。現在はLINE向け海洋ソーシャルゲーム「イージーダイバー」を開発中。

飯田 僕らはゲーム作る側でさ、当然ゲームをネタにこういう遊びが展開されてるってのは知ってたけど、こうして自分でやってみて、ちょっとやみつきになりそう。

米光 はじめてゲームやったころのドキドキに近いかもしれない。ゲームプレイ倦怠期の人は実況するといいよ!

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飯田 スターになったみたいな気持ちになれるよね。(アンディ)ウォーホルがさ、マスメディアを使えば誰でも15分間はスターになれるって言ったけど、それがもっと加速してる感じ?

米光 15分どころじゃなかったね。2時間だもんね。

飯田 しかも100万人だよ。別に僕らが100万人集めたわけじゃないけど。でも、そういう高揚感を誰でも味わえるってすごいよね。

米光 うん。

飯田 自分のゲームをそういうネタに使ってもらえるってさ、やっぱりやる気になるよ。実況向きのゲームとか作りたい。

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米光 作りたいね、実況のためだけのゲーム。これ一人でやったら全然面白くないわーってくらい。

飯田 ゆめにっきもそういうとこあるよね。あんなの一人でやってたら分かんないよ。

米光 みんなの応援とか、ヒントがあってはじめて行けたー! みたいなね。

自分のゲームが実況されるのは嬉しい?

麻野一哉さん。代表作は「弟切草」「かまいたちの夜」など。現在は作家の我孫子武丸さんと、アドベンチャーゲーム「ALONE」を開発中(3DS用ソフト「GUILD 02」に収録予定)。

(麻野さん、タバコ補給を終えて帰ってくる)

―― さっき麻野さんがプレイしてた時、コメントの中に「(弟切草)いま実況してます」ってのがあって、ちょっとドキッとしたんです。あれ見た時の心境ってどうでしたか?

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麻野一哉(以下、麻野) うーん、よく著作権がどうのこうのって言われるけど、個人としては嬉しいよ。そりゃ出たばかりの最新作だったらマズいかもしれないけど、弟切草だしね。むしろいまだにあれを遊んでくれてるってのは単純にありがたい……かなあ。

飯田 今まではゲームって、ハードの世代が変わったら忘れられちゃう宿命にあったけど、いまだにスーパーファミコンのゲームが実況で人気があったりしてさ。ずっとこう、コンテンツが回り続けてる。

麻野 昨日も飲み会で話したんだけど、誰かが最近「データは熟成されるけどアプリは腐敗する」みたいなことを言ってたんだよね。その熟成の形のひとつが実況だったりするのかな、って気はする。

―― 弟切草じゃなかったらどうですか? たとえば今作ってる最新作が、出てすぐにニコ生でクリアされちゃったりしたら。

麻野 そこは立場がふたつあって、個人としては全然OK。……なんだけど、社会人としてはOKって言いにくい部分がどうしてもあるよね。漫画家とか小説家でもきっと、立ち読みはやめてって言いつつ、でも立ち読みでもいいから読んでもらえることが嬉しい、って気持ちと両方あると思うんだよ。どうなんだろうなあ。

米光 つっても実機でしょ? 昔はエミュ(レータ)でやってる人もいたけど。

(同席していたドワンゴの番組ディレクター) 実機かエミュかは確かめようがないんですが、ただエミュを叩く風潮は間違いなくありますね。

米光 今はエミュでやってるってバレると怒られちゃうよね。

―― バレれば間違いなく荒れますね。

米光 今回の企画もそうだけど、作り手側もちょっとずつ理解は示すようになってきたよね。実況もプレイスタイルのひとつだって。作る方もそれを理解して取り込んでいく必要があるんだと思う。

飯田 いまコンシューマーゲームがものすごい苦戦してるけど、じゃあゲームを遊んでくれるお客さんはどこにいるんだろうって考えた時に、今回のニコ生を見てくれてるような人は、すごくいいお客さんなんですよね。

―― いいお客さんですかね?

飯田 分かんない。でも注目してくれるだけでありがたいよ。

―― 確かに、少なくとも無関心ではないし、そこからお金を払って遊んでくれる人だって出てくる。

飯田 そういう人たちの楽しみを奪うのは、やっぱりよくないと思うよ。死活問題だからさ。

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