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「ゲームを作るのに、ゲームなんかやらなくていい」――「もしドラ」作者、ゲーム業界にアドバイス (3/5 ページ)

「おれほどゲームをやったやつはいない」と豪語する岩崎夏海氏は、今のゲーム業界をどう見たか。

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開発者はもっとサルになれ

 では、そんなミリオンセラー作家の目に、今のゲーム開発はどう映っているのか。「今日はぜひ話したいことがあったんです」と前置きしたのち、「結局みなさん、本当にヒット作を作りたいと思ってますか? 例えば100万本売れるゲームを、自分が手がけてみたいと思っていますか?」といきなり開発者たちに問いかける岩崎氏。なんとなく、会場の空気が一瞬ピリッとしたような気がした。

以前は「パチンコ中毒だった」と言うだけあって、パチンコになぜハマるのか、という説明には妙な生々しさがあった

 岩崎氏の主張はこうだ。100万本売れるゲームとは「ゲーマーをサルにさせるもの」である。そしてそれを作るには、まず開発者自身が一度サルになる経験をしないといけない。

「でも、僕からすると、みんなどこかで冷めてしまってる。サルになった経験がないんじゃないかって疑ってしまう」(岩崎氏)

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 例えば麻雀を36時間ぶっ続けでやってみる。パチンコで5万円すって、泣きながらATMにお金をおろしにいって、そのお金でまたパチンコを打つ。そういう「やめたいんだけどやめられない状態」を自分で味わってみないと、サルになるとはどういうことか分からない。逆に言えば、それさえ分かってしまえば、あとはその状態を「何も知らないガキどもに味わわせて」やれば、必ずや「刺さる」ものは作れるという。

 「これは確か宮本茂さんの受け売りですが、ゲームのバイラル(口コミ)でもっとも重要なのは、『やってるやつが楽しそうかどうか』なんです。AKB48もそうで、結局歌がうまいとか、女の子の顔がかわいいとかは重要ではない。アイドルオタクたちが、あまりにも楽しそうに話してる、つまりサルになっている、その姿が興味を抱かせるんです」(岩崎氏)

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